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2 本件非行及び非行歴 (1) 本件非行における共犯関係 III-68図は,昭和63年と平成9年について,本件非行時の共犯者数(本人を含めての数である。以下,本章において同じ。)を男女別に見たものである。
III-68図 鑑別所収容少年の本件非行時の共犯者数別構成比(昭和63年・平成9年) 男女とも,いずれの年次も共犯者のいない単独が最も多いが,その比率は男女共に低下し,共犯者のいる者の比率が上昇している。また,男子の方が共犯者のいる者の比率は高く,しかも,共犯者数が増えていることが分かる。特に,共犯者数が5人以上の比率が大きく上昇している。さらに,共犯者のいる者のうち,共犯者との関係について男女別に累計して見ると,男女共に,地域仲間(男子35.1%,女子24.2%)が最も多く,次いで,男子では暴走族(16.1%),学校仲間(6.3%)の順,女子では愛人(10.5%),学校仲間(7.0%)の順となっている。 (2) 問題行動歴 最近10年間を累計して鑑別所収容少年の問題行動歴を男女別に見ると,経験者の占める比率が7割を超えるものは,男女に共通して,たばこ(男子95.4%,女子94.1%),酒(同83.6%,83.0%),性経験(同77.6%,92.1%)であり,さらに,男子では無免許運転(77.5%),女子では家出(81.1%),毒劇物(70.3%)が挙げられる。加えて,経験者の占める比率が5割以上のものは,男子では毒劇物(52.6%),万引き(52.2%),女子では万引き(61.0%)である。
経験者の占める比率が男子の方が高いのは,たばこ,酒,無免許運転(男子77.5%,女子48.9%),暴走行為(同46.3%,21.1%)であり,女子の方が高いのは,毒劇物,覚せい剤(同4.8%,24.5%)をはじめ薬物全般,家出、万引き,性経験である。 (3) 非行初発年齢 非行により最初に補導又は保護されたときの年齢(非行初発年齢)を,昭和63年と平成9年について見ると,昭和63年には,14歳(26.8%)が最も多く,以下,15歳(18.1%),13歳(17.6%)の順となっているのに対し,平成9年には,14歳(24.6%),15歳(22.0%)の順は変わらないものの、16歳(14.9%)の比率が上昇して3位となり,13歳以下の者の比率がかなり低下している。
(4) 不良集団所属 最近10年間を累計して鑑別所収容少年の不良集団への所属について,男女別に見ると,男子では,不良集団に所属していない者が4割を超えているが,所属している者の所属不良集団については,地域不良集団(23.0%),暴走族(21.9%)が多い。一方,女子では,不良集団に所属していない者が5割を超え,所属している者の所属不良集団については地域不良集団(24.6%)が多い。
(5) 在宅保護歴 III-16表は,過去に在宅保護歴があるか,ある場合にはどのような在宅保護歴を有するかを,昭和63年,平成4年,8年及び9年について見たものである。
III-16表 鑑別所収容少年の在宅保護歴(昭和63年〜平成9年) 在宅保護歴のない者の占める比率は上昇し,一方,各在宅保護について見ると,保護観察(交通)を除いては,該当者の比率はすべての項目で低下している。(6) 保護施設歴 III-17表は,過去に保護施設歴があるか,ある場合にはどのような保護施設歴を有するかを,昭和63年,平成4年,8年及び9年について見たものである。
III-17表 鑑別所収容少年の保護施設歴(昭和63年〜平成9年) 保護施設歴のない者の占める比率は上昇し,平成9年には88.5%に達している。一方,各保護施設歴のある者は,昭和63年には教護院が最も多く,以下,中等少年院(長期),初等少年院(長期)の順となっているのに対し,平成9年には教護院,中等少年院(長期),中等少年院(一般短期)等の順となっているが,それぞれの比率はいずれも低下している。 |