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1 少年審判 (1) 受理状況 III-45図は,昭和24年以降における少年保護事件の家庭裁判所受理人員の推移を,一般保護事件及び道路交通保護事件(道交違反に係る少年保護事件)の別に見たものである。
III-45図 少年保護事件の家庭裁判所受理人員の推移(昭和24年〜平成9年) 受理人員総数は,昭和26年以降増加し,41年に109万4339人と最高値に達したが,その後49年までは減少し,50年から再び増加に転じて,58年に68万4830人とピークに達した。その後平成7年までは減少したが,8年以降再び増加し,9年は31万6703人で,前年より1万7928人(6.0%)増加している。一般保護事件の受理人員は,昭和41年までは増加し,42年以降減少したものの,50年から再度増加に転じ,58年に30万2856人と最高値に達した後はおおむね横ばいとなり,平成元年から7年までは減少した。その後,8年から増加し,9年は20万8186人(前年より1万7566人,9.2%増)となっている。 これに対し,道路交通保護事件の受理人員は,昭和61年までは一般保護事件の受理人員より多かったが,62年に交通反則通告制度の適用範囲が拡大されたことにより,同年以降減少した。その後,平成8年から増加に転じ,9年は10万8517人(前年より362人,0.3%増)となっている。 なお,平成9年に,家庭裁判所において,観護の措置として少年鑑別所送致決定のなされた少年は,一般保護事件では1万5745人,道路交通保護事件では1966人で,家庭裁判所が受理した少年保護事件の,それぞれ7.6%,1.8%を占めている(司法統計年報による。)。 (2) 処理状況 III-3表は,平成8年における少年保護事件について,家庭裁判所の終局処理状況を見たものである。
III-3表 少年保護事件の家庭裁判所終局処理人員(平成8年) 非行名別の終局処理人員を見ると,交通関係業過,道交違反及び虞犯を除く少年保護事件では,窃盗(59.6%)が最も多く,以下,遺失物等横領を含む横領(20.3%),傷害(5.2%),恐喝(3.8%),毒劇法違反(3.0%)の順となっている。刑法犯では審判不開始(61.3%)の比率が,特別法犯では不処分(37.5%)の比率が最も高い。また,検察官送致(刑事処分相当)の比率は,殺人(35.6%),道交違反(11.4%)等で高く,少年院送致の比率は,強姦(57.5%),殺人(48.9%)で高くなっている。保護観察の比率の最も高いものは,覚せい剤取締法違反(50.4%)である。 交通関係業過,道交違反共に,不処分(それぞれ53,2%,38.7%)の比率が最も高く,以下,保護観察(同22.7%,30.7%),審判不開始(同17.5%,16,5%),検察官送致(同6.6%,工3.7%)の順となっている。 虞犯事件は,他の事件と比べて,保護観察(36.7%),少年院送致(16.0%)等の保護処分の比率が62.8%と高くなっている(なお,少年保護事件の処分状況の詳細については,本編第6章第3節参照。)。 |