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 平成10年版 犯罪白書 第3編/第2章/第4節/4 

4 学校と非行

 学校は,少年にとっては家庭とともに重要な生活環境である。昭和25年には50%に満たなかった高校進学率は,40年には70%を超え,49年以降は90%を超える高率となっている(文部省の「学校基本調査報告書」による。)。
 III-2表は,昭和53年以降における交通関係業過を除く少年刑法犯中,中学生・高校生別検挙人員及び在学生1000人当たりの比率を見たものである。

III-2表 少年刑法犯の中学生・高校生別検挙人員及び在学生に対する比率(昭和53年〜平成9年)

 昭和58年の第三のピーク時には,高校生の比率を上回って23.1と最高値を示した中学生の比率は,次第に低下したが,平成8年から上昇に転じている。一方,高校生の比率は,10から14の間で推移していたものの,5年以降上昇し,7年からは中学生の比率を上回り,9年にはこの20年間で最高値の16.1に達している。
 学校と関連の深い非行に校内暴力事件があるが,III-21図は,昭和53年以降の20年間における校内暴力事件の検挙状況の推移を見たものである。

III-21図 校内暴力事件の検挙状況(昭和53年〜平成9年)

 この20年間における校内暴力事件の検挙人員は,昭和56年の1万468人をピークにその後減少していたものの,平成9年には前年より349人(38.9%)増加して,1246人となっている。また,検挙人員においては,いずれの年次も中学生が圧倒的に多い。