前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成10年版 犯罪白書 第3編/第2章/第4節/3 

3 家庭と非行

 家庭内暴力事案が顕在化したとして警察庁が統計を取り始めた昭和55年以降について,家庭内暴力に係る少年の学職別の状況を見たものがIII-20図である。

III-20図 家庭内暴力事犯少年の学識別状況(昭和55年〜平成9年)

 少年による家庭内暴力の認知件数は,昭和58年に1397件とピークに達し,その後多少の起伏を示しながらも,減少ないし横ばいを続けていたが,平成7年からは漸増傾向が見られ,9年には827件(前年比11.2%増)となっている。学職別では,どの年次も中学生が最も多くなっている。
 この間における家庭内暴力の対象別の状況を見ると,一貫して母親がおおむね60%台を占めて最も高く,次いで,父親が10%前後から16%台で推移し,以下,物(家財道具等)又は同居の親族,兄弟姉妹の順となっている。平成9年には,母親が493件(59.6%)と最も多く,次いで,父親が109件(13.2%),物(家財道具等)が92件(11.1%),同居の親族が85件(10.3%),兄弟姉妹が40件(4.8%),その他が8件(1.0%)となっている(警察庁生活安全局の資料による。)。