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 平成 9年版 犯罪白書 第2編/第3章/第1節/1 

第3章 検  察

第1節 概  説

1 戦前の検察組織

 第二次世界大戦終結前においては,検察組織の基本は裁判所構成法(明治23年法律第6号)によって定められていた。
 同法によると,検事局は各裁判所(民事地方裁判所を除く。)に付置され(戦前の裁判所の構成については,本編第4章第1節参照)。,大審院検事局に検事総長が,控訴院検事局に検事長が,地方裁判所検事局に検事正がそれぞれ置かれ,各裁判所(民事地方裁判所を除く。)検事局に検事が置かれていた。
 また,検事は,単独官庁として,独立してその事務を行うものとされていたが,組織の上では,その職務を実行するに当たって上官の命令に従う義務を負い,検事総長,検事長及び検事正は,管下の検事の事務を自ら取り扱う権限(引取権)及び管下の検事の取り扱う事務を他の検事に移す権限(移転権)を有し,準行政組織体ともいうべき組織を構成していた。