前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成 5年版 犯罪白書 第4編/第6章/第4節/3 

3 再犯の形態

 交通保護観察対象者の保護観察期間中における再犯は,[1]保護観察の原因となった事件の罪名と同一のもの,[2]罪名は異なるが罪種が交通関係であるもの,[3]一般事件であるもの,に分けることができる。これらを,[1]同一罪名,[2]同一罪種,[3]一般事件とした上,昭和55年以降3年ごとに,再犯をした者について各構成比を示したのが,IV-49図である。保護観察処分少年では,業過,道路交通法違反共に,一般事件の構成比が,上昇傾向にあり,しかも,道路交通法違反では,平成元年以降,50%以上を占めている。交通保護観察対象者の中にも一般事件による再犯に結び付く問題性を有する者が少なくないことを示すものである。また,保護観察付執行猶予者では,道路交通法違反において,同一罪名による再犯の比率が,保護観察処分少年や業過による者の場合に比べて高く,交通保護観察対象者のうち,この種の対象者は同じ違反を繰り返す傾向が強いことを示している。

IV-49図 再犯の罪名別構成比の推移(昭和55年,58年,61年,平成元年,4年)