起訴可能な交通関係業過事件について，検察官が，公判請求，略式命令請求又は起訴猶予のうち，いずれの刑事処分に付するかを決する場合において，各事件の諸因子の中で，どういうものが検察官による処分に影響を及ぼす主要な因子となっているであろうか。これを明らかにするため，以下の特別調査を実施した。
　調査の方法は，事件記録によるサンプル調査である。公判請求事件及び起訴猶予事件については，平成4年に東京地方検察庁において処理された事件を，略式命令請求事件については，同年に東京区検察庁において処理された事件を，それぞれ日付順に100件に満つるまで抽出した。したがって，調査対象件数は，各100件ずつの合計300件である。
　これら合計300件の事件記録に基づき，一件ごとに調査票に調査事項を記載し，これを基に集計を行った。