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覚せい剤,シンナー等の薬物が少年の心身に及ぼす悪影響は,計り知れないものがある。
III-29図は,昭和45年から平成4年までの間における少年による覚せい剤事犯検挙人員の推移を見たものである。 少年による覚せい剤事犯は,昭和58年以降減少していたが,平成3年に増加に転じ,4年には1,017人となっている。覚せい剤事犯検挙人員に占める少年の比率は,6.6%とそれほど高くはないものの,最近,再び流行の兆しが見られることは,注目に値する(厚生省薬務局の資料による。)。 III-29図 少年による覚せい剤事犯検挙人員の推移(昭和45年〜平成4年) なお,同資料によると,少年による覚せい剤事犯の半数は,女子少年で占められている。平成4年では527人,51.8%が女子少年によるもので,女子少年の占める比率は,2年以降引き続き50%を超えている。III-30図は,昭和47年から平成4年までの間における少年による毒劇法違反送致人員の推移を見たものである。 III-30図 少年による毒劇法違反送致人員の推移(昭和47年〜平成4年) 少年による毒劇法違反送致人員は,昭和57年に2万9,254人とピークに達した後,引き続き2万人台で推移していたが,平成4年には1万6,969人で,前年に比べ25.6%の減少となっている。しかし,シンナー等は,覚せい剤等に比べ,その入手が容易であるため,少年によって手軽に濫用されるおそれがあり,このように毒劇法違反送致人員が減少したといっても,その動向には,今後とも注視していく必要がある。 |