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2 主要刑法犯の動向 (1)財産犯
窃盗,詐欺,横領及び占有離脱物横領の,認知・検挙件数及び検挙人員の推移を見ると,I-4図のとおりである。窃盗及び占有離脱物横領の認知件数は増加傾向にあり,詐欺及び横領の認知件数は,近年は減少傾向にあったが,平成4年は前年より増加した。窃盗の検挙件数及び検挙人員は,認知件数の増加にもかかわらず,近年減少している。 I-4図 財産犯の認知・検挙件数及び検挙人員の推移(昭和58年〜平成4年) そこで最も認知件数が多い窃盗を手口別に見ると,その構成比はI-5図のとおりである。一般に悪質と思われる侵入盗,すり及びひったくり並びに一般に被害金額が大きいと思われる自動車盗の合計は全体の2割を占め,また,一般に悪質でないと思われる自転車盗及び万引きの合計は全体の約3分の1を占めている(巻末資料I-4表参照)。I-5図 窃盗認知件数の手口別構成比 (平成4年) (2)凶悪犯殺人及び強盗の認知・検挙件数及び検挙人員の推移を見ると,I-6図のとおりである。殺人の認知・検挙件数及び検挙人員は,近年いずれも減少傾向にあったが,平成4年は,いずれも前年よりわずかながら増加した。強盗の認知・検挙件数及び検挙人員は,平成元年までいずれも減少傾向にあったが,最近の3年間は,いずれも増加している。 I-6図 凶悪犯の認知・検挙件数及び検挙人員の推移 (昭和58年〜平成4年) I-7図は,強盗のうち金融機関強盗について,最近10年間の認知件数の推移を見たものである。I-7図 金融機関強盗認知件数の推移 (昭和58年〜平成4年) (3)粗暴犯傷害,暴行,脅迫及び恐喝の認知・検挙件数及び検挙人員の推移は,I-8図のとおりであり,各認知件数は,平成3年までは減少傾向にあったが,4年にはいずれも増加している。 I-8図 粗暴犯の認知・検挙件数及び検挙人員の推移(昭和58年〜平成4年) (4)性犯罪強姦,強制猥褻,公然猥褻及び猥褻文書頒布等の認知・検挙件数及び検挙人員の推移を見ると,I-9図のとおりである。強制猥褻は増加傾向にあり,公然猥褻は年ごとに変動はあるものの,ほぼ横ばいの状態にあるが,強姦と猥褻文書頒布等はおおむね減少傾向にある。 I-9図 性犯罪の認知・検挙件数及び検挙人員の推移 (昭和58年〜平成4年) (5)交通関係業過その他の過失犯最近10年間における交通事故死傷者について,その実数,人口10万人当たりの比率,免許保有者1万人当たりの比率,車両保有台数1万台当たりの比率の推移を見ると,I-10図及びI-11図のとおりであり,死傷者数は増加傾向にあるが,免許保有者1万人当たり及び車両保有台数1万台当たりの各比率は,いずれもほぼ一定である。 最近10年間における交通関係業過の検挙人員は,昭和59年の51万4,746人を底に,以後毎年増加し,平成元年には62万1,202人に達した。その後,2年,3年には連続して減少したが,4年は63万8,045人と増加し,最近10年間の最高となった。その内訳は,業務上(重)過失傷害が62万8,336人,業務上(重)過失致死が9,709人である。 交通関係業過を含む業過,過失致死傷及び失火等過失犯の認知・検挙件数及び検挙人員の推移は,巻末資料I-3表のとおりである。 I-10図 交通事故死亡者数の推移(昭和58年〜平成4年) I-11図 交通事故負傷者数の推移(昭和58年〜平成4年) (6)その他の刑法犯放火,略取・誘拐,文書偽造・有価証券偽造及び賭博・富くじの認知・検挙件数及び検挙人員の推移を見ると,I-12図のとおりである。略取・誘拐が件数は少ないながら増加傾向にあるが,他は,おおむね減少又は横ばいの状況にある。 I-12図 その他の刑法犯の認知・検挙件数及び検挙人員の推移(昭和58年〜平成4年) |