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 平成 4年版 犯罪白書 第1編/第2章/第1節/3 

3 麻薬等事犯

 平成3年における麻薬等事犯(麻薬取締法違反,あへん法違反及び大麻取締法違反をいう。)の検挙状況を見ると,前掲I-19表及びI-10図[2]のとおり,前年に比べて,麻薬取締法及びあへん法の各違反は増加しているが,大麻取締法違反は減少している。しかし,大麻取締法違反は,昭和38年以降,増減を繰り返しながら全体としては増加してきており,その動向には引き続き注目する必要がある。
 1-24表は,最近5年間における麻薬等の押収量を示したものである。麻薬等の押収量は年次による増減が著しいが,平成3年では,前年に比べて,あへん,LSD及びヘロインの押収量が著しく増加し,コカインの押収量は,減少したものの,史上第2位を記録している。
 なお,コカインについては,この数年,大量密輸入事犯が発生しており,暴力団が密売に関与している事件の検挙例も認められることなどから,その汚染の拡散が憂慮される(警察庁保安部の資料による。)。
 平成3年における麻薬等事犯の検挙人員を厚生省薬務局及び警察庁保安部の資料によって違反態様別に見ると,次のとおりである。
 麻薬取締法違反では,所持事犯が49.8%で最も多く,以下,譲渡・譲受(25.8%),密輸入(出)(21.0%)の各事犯の順となっている。

I-24表 麻薬等の押収量

 あへん法違反では,栽培事犯(そのほとんどが観賞を目的としたけしの栽培)が79.4%と圧倒的に多く,密輸入(出)事犯(14.3%)がこれに次いでいる。
 大麻取締法違反では,所持事犯が59.9%で最も多く,以下,譲渡・譲受(29.4%),密輸入(出)(8.6%)の各事犯の順となっている。