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 昭和37年版 犯罪白書 第三編/第三章/二/4 

4 面接指導・教誨・クラブ活動等

 少年刑務所では,精神的煩悶や葛藤をいだき易い年齢のものを収容している関係からも,各種の教育活動を活発に行なう必要がある。
 面接指導については,昭和三六年中に上記五施設(年末収容者総数二,八二七人―準少年および青年受刑者を若干含む)で,施設職員の面接指導実施延人員は二七,三〇二人に及んでいる。また面接内容が専門的知識や技術を要するものは,篤志面接委員の指導をあおぐことになっているが,篤志面接委員(前記五施設の計六三人)が面接指導した人員は一,六七四人であった。
 刑務所においては,一般教誨として収容者の教養や情操を高めるため,部外各方面の名士や有識経験者による講話や講演を,少なくとも月一回以上実施することが定められているが,昭和三六年中の総集教誨(全収容者に対する教誨)の回数についても,上記五施設中の最高は五一回,最少は一四回で,集合教誨(特定希望者のグループに対する教誨)の回数は一施設で八八五回に及ぶものもある。
 また,宗教的情操や信仰心を養うためには,これを希望する者に対し宗教教誨や宗教集会を,部外の宗教教誨師の来訪をあおいで実施することになっている。昭和三六年末の前記五施設収容者総数二,八二七人の約五七%にあたる一,六二一人が宗教教誨の希望者であったが,これらの者に対して,各施設の教誨師会に属する教誨師(計六五名)などによってグループ教誨,個人教誨が行なわれ,また信仰座談会や仏典・聖書研究会などが定例的に催されている。
 このほか,生活指導の一環として,収容者の自主的組織による各種のクラブ活動が認められている。すなわち,一級者・二級者の月例集会をはじめ,書道,絵画,華道,詩歌俳句の会,輪読会,討論会,演劇,演奏,所内放送設備を利用した放送コンクールなどのクラブ活動が,各種の運動競技とともに,余暇時間を活用して行なわれている。