前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 昭和37年版 犯罪白書 第二編/第一章/一/3 

3 新受刑者の刑名別

 昭和三五年の新受刑者の刑名別は,懲役が四〇,五三三人で総数の九八・九%,禁錮は三四四人で〇・八%,拘留は九二人で〇・二%,死刑(執行されたもの)は三九人で〇・一%にあたる。
 昭和一〇年以降の新受刑者の刑名別の比率をみると,II-3表に示すように,昭和二一年以降はほとんど変わっていない。ただ,昭和三三年以降は禁錮の占める比率がわずかずつではあるが上昇し,昭和三五年には〇・八%になっている。これは主として自動車による業務上過失致死傷の禁錮刑が増加したものである。すなわち,昭和三五年における業務上過失致死傷による禁錮刑の受刑者は三〇二人に及んでいる。

II-3表 新受刑者の刑名別人員の比率(昭和10〜35年)

 戦前と戦後とを比較すると,拘留が著しく減少したこと(昭和一一-一五年には七・九%であったが,昭和三五年には〇・二%)がわかる。拘留が減少した理由がどこにあるか必ずしも明らかではないが,前述のように拘留を相当として起訴するものが少ないこと,また,起訴されたとしても裁判所は科料その他を科して,拘留を言い渡す場合が少ないことをあげることができるであろう。