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 昭和55年版 犯罪白書 第3編/第2章/第5節/1 

第5節 少年の更生保護

1 少年の仮釈放

 少年の仮釈放については,少年院在院者の仮退院及び不定期刑受刑者の仮出獄について述べる。
(1) 少年院在院者の仮退院
 仮退院は,少年院在院者が矯正処遇の最高段階に達し,保護観察に付することか少年の改善更生のために相当であると認められたとき,又は矯正処遇の最高段階に達してはいないが,少年自身の努力によって成績が向上し,保護観察に付することか少年の改善更生のために特に必要であると認められるときに許可される。仮退院審理事件の受理・処理状況は,前掲II-53表及びII-54表に示したとおりであるが,昭和54年について少年院の処遇区分別にこれを見ると,III-61表のとおり,棄却されたものは,短期処遇には1件もなく,長期処遇に3件あるだけであり,3,529人が仮退院を許可されている。

III-61表 処遇区分別少年院仮退院事件の受理・処理

(2) 不定期刑受刑者の仮出獄
 不定期刑受刑者の仮出獄審理の手続及び仮出獄許可の基準は,定期刑受刑者のそれと異なるところはないが,仮出獄を許すことのできる時期は刑の短期の3分の1を経過した後とされている。最近3年間における不定期刑受刑者の仮出獄許否状況は,III-62表のとおりで,仮出獄の申請棄却率は,定期刑受刑者のそれに比べ概して低い。

III-62表 不定期刑受刑者に対する仮出獄許否状況及び定期刑受刑者に対する棄却率

 III-63表は,最近3年間の不定期刑仮出獄者について,刑の長期を基準として執行率別の割合を見たものである。これによると,50%未満の執行で仮出獄となる者の割合が減少し,90%以上の者の割合が増加する傾向を見せている。また,出所の日が短期の経過前であるか又は経過後であるかを見ると,昭和54年では,短期経過前に出所する者の割合が37.4%で,前年の31.7%に比べて増加している。

III-63表 不定期刑仮出獄者の執行率別人員構成比