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2 新収容者の特性 昭和53年及び54年に少年院に新たに収容された者の処遇課程等別人員は,III-52表に示すとおりである。54年の新収容者は4,074人で,M年に比べて7.8%増加した。長期処遇が3.9%増加し,短期処遇は16.5%と大幅に増加した。
III-52表 新収容者の処遇課程等別人員 III-5図 短期処遇の区分及び長期処遇別新収容者の年齢別構成比 III-5図は,昭和53年及び54年の新収容者の年齢別構成比を見たものである。年長少年(18歳以上)の占める割合は,交通短期処遇が最も多く77.0%と高率で,次いで,長期処遇47.6%,一般短期処遇46.1%の順になっている。少年非行における年少少年(14歳・15歳)の増加傾向が依然として続いているが,少年院新収容者の年齢別構成では,年少少年の占める割合は,一般短期処遇13.5%,長期処遇16.0%にすぎない。III-6図 短期処遇の区分及び長期処遇別新収容者の教育歴別構成比 III-53表 新収容者の非行名別人員 III-6図は,前由と同様の対象者について,教育歴別構成比を見たものである。高校在学・中退以上の教育歴を有する者の占める割合は,長期処遇が最も低く,一般短期処遇,交通短期処遇の順に高くなっている。なかでも交通短期処遇では,長期処遇の2倍以上で67,6%を占めている。また,中学在学中の者は,長期処遇で11.4%,一般短期処遇で9.1%と全体の1割前後を占めている。昭和53年及び54年の新収容者の非行名別人員は,III-53表のとおりである。54年は,窃盗が45.8%と全体の約半数を占めており最も多く,刑法犯の中では,傷害,恐喝等の粗暴犯がこれに次いで多い。なお,最近の少年非行の傾向を反映して,覚せい剤取締法違反,毒物及び劇物取締法違反,道路交通法違反等の特別法犯及び虞犯が多いことが特徴的である。次に,これを短期処遇の区分及び長期処遇別に見たのが,III-7図である。男子では,長期処遇,一般短期処遇共に財産犯が最も多くほぼ5割を占めている。また,粗暴犯及び性犯罪の占める割合は,一般短期処遇が長期処遇を上回っており,一般短期処遇にも多様な対象者が収容されていることがうかがえる。女子では,長期処遇,一般短期処遇共に虞犯が最も多くほぼ5割を占めており,長期処遇と一般短期処遇の間に大きな差異は認められない。 III-7図 短期処遇の区分及び長期処遇別新収容者の非行名別人員比 III-8図は,昭和53年及び54年の新収容者について,不良集団加入歴別構成比を見たものである。反社会的傾向の最も強い暴力組織に加入歴のある者の割合は,長期処遇に最も多く,交通短期処遇にはいない。地域不良集団加入歴のある者の割合は,一般短期処遇に最も多く,暴走族加入歴のある者の割合は,交通短期処遇に最も多くなっており,短期処遇の区分及び長期処遇の対象者が持つ問題性がそれぞれ異なることを示している。なお,不良集団に加入したことのない者の占める割合は,一般短期処遇と長期処遇の間にはほとんど差はなく,5割程度であるが,交通短期処遇では72.6%とその割合が高くなっている。III-8図 短期処遇の区分及び長期処遇別新収容者の不良集団加入歴別構成比 |