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 昭和36年版 犯罪白書 第二編/第三章/三/2 

2 女子受刑者の増減とその特質

 昭和三四年の女子新受刑者は,一,一六一人で,昭和三三年の一,〇四一人よりも一二〇人多い。受刑者一〇〇人中男子九七人に対し女子三人である。
 この一,一六一人の罪名別構成はIV-6図のとおりである。最も多いのは,前年のとおり,窃盗で,五二二人,次いで詐欺の一一七人となっており,この両者は全体の五五%を占めている。このほか,女子受刑者においては,麻薬取締法違反が一六七人(一四・四%)と,前年に引き続きかなりの高率を占めていることも見のがせない。また,昭和三四年になって,売春防止法違反が急激にふえたことが注目される。すなわち,昭和三三年にわずか九人にすぎなかったものが,昭和三四年に至り,一躍一〇二人に増加したことである。これは,売春防止法の運用が軌道にのりつつあるためであろう。

IV-6図 女子新受刑者の罪名別人員の百分率(昭和34年)