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平成22年版 犯罪白書 第7編/第4章/第1節/1

第1節 重大事犯の実態

1 重大事犯の発生状況

重大事犯について,注目すべきであると思われる点を中心に,発生状況を概観すると次のとおりである。

重大事犯の認知件数(7‐1‐1‐1図参照)は,いずれの罪名でも,平成15年前後ころから減少傾向にあるが,強盗以外の罪名では,20年前とほぼ同程度の水準にあり,強盗は,20年前の約3倍の高水準にある。

被疑者と被害者との関係別に検挙件数を見る(7‐1‐1‐4図7‐1‐1‐5図参照)と,殺人では,近年,嬰児殺の減少と親に対する殺人の増加が顕著であり,全体として,親族に対する殺人は,増加し,最近では,親族率(検挙件数に占める被害者が被疑者の親族である事件の比率)は5割程度である。傷害致死でも,親族率は5割程度である。親族に対する犯行は,殺人でも傷害致死でも,憤まん・激情によるものが最も多いが,そのほかは,殺人では介護・養育疲れによるものが多いのに対し,傷害致死では虐待・折かんによるものが多い(7‐2‐1‐1‐2表参照)。強姦では,少数ながら,親族に対する犯行が増加傾向にある(7‐1‐1‐4図参照)。放火は,親族率は,3割前後であり,他方で,面識のない者に対する犯行も3分の1を超えている(同図参照)。

重大事犯による検挙者を年齢層別に見ると,殺人及び放火で,50歳以上の検挙人員が多く,近年,65歳以上の高齢者の検挙人員が大幅に増加している(7‐1‐1‐9図参照)。

暴力団構成員等(暴力団の構成員及び準構成員)による重大事犯の検挙人員は,最近,減少傾向にあるが,強盗では,なお相当高い水準にある(7‐1‐1‐11図参照)。罪名ごとに,検挙人員に占める暴力団構成員等の比率を見ると,殺人(20%)及び強盗(19%)で高い(3‐2‐2‐2表参照)。