この項では、調査対象事件において、被害者の精神障害の有無により、加害者の属性等の傾向・特徴に違いがあるかについて見る。なお、加害者の人員は、被害者数に対応した延べ人員であること、すなわち、一人の加害者について、複数の異なる調査対象被害者に対する事件がある場合は、被害者ごとに加害者の人員を計上していることに留意が必要である(以下この項において同じ。)。
加害者の犯行時における年齢層について、調査対象被害者を群別に見ると、7-5-2-4図のとおりである。精神障害あり群に対する事件の加害者では、「40~49歳」及び「65歳以上」の構成比が同じで最も高く、次いで、「30歳未満」の順であった。他方、精神障害なし群に対する事件の加害者では、「30歳未満」の構成比が最も高く、次いで、「30~39歳」、「40~49歳」の順であった。精神障害あり群に対する事件の加害者は、精神障害なし群に対する事件の加害者よりも「65歳以上」の構成比が高く、「30歳未満」及び「30~39歳」の構成比が低かった。
加害者の前歴について、「同種前歴あり」(強制性交等、準強制性交等、監護者性交等、強制わいせつ、準強制わいせつ又は監護者わいせつ及びこれらの結果的加重犯の前歴が認められた者)、「異種前歴あり」(同種前歴以外の前歴が認められた者)及び「前歴なし」の構成比を調査対象被害者の群別に見ると、7-5-2-5図のとおりである。精神障害あり群に対する事件の加害者及び精神障害なし群に対する事件の加害者のいずれも、「前歴なし」の構成比が最も高く、次いで、「異種前歴あり」、「同種前歴あり」の順であった。精神障害あり群に対する事件の加害者は、精神障害なし群に対する事件の加害者よりも「同種前歴あり」の構成比が低かった。なお、本調査項目は、調査者において、判決書等を調査した結果を分類したものである。
被害者から見た加害者の立場について、調査対象被害者を群別に見ると、7-5-2-6図のとおりである。精神障害あり群に対する事件の加害者では、「支援関係者」の構成比が最も高く、次いで、「面識なし」、「知人」の順であった。精神障害なし群に対する事件の加害者では、「面識なし」の構成比が最も高く、次いで、「知人」、「教育関係者」の順であった。精神障害あり群に対する事件の加害者は、精神障害なし群に対する事件の加害者よりも「支援関係者」の構成比が高く、「面識なし」の構成比が低かった。なお、本調査項目は、調査者において、被害者供述等の関係各証拠を調査した結果を分類したものである。