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令和7年版 犯罪白書 第7編/第4章/第1節/1

第1節 調査の概要
1 調査の意義

刑事政策として効果的な治安対策を考える場合、その前提として、犯罪の発生状況を正確に把握しておくことが必要不可欠である。そのためには、<1>警察等の公的機関に認知された犯罪件数を集計する方法と、<2>一般国民を対象としたアンケート調査等により、警察等に認知されていない犯罪の件数(暗数)を含め、どのような犯罪が、実際どのくらい発生しているかという実態を調べる方法(暗数調査)がある。前記<2>の暗数調査は、定期的に実施することにより、前記<1>の認知件数との経年比較が可能となる。前記<1>及び<2>は、犯罪情勢を知る上で言わば表裏一体のものであり、お互いを相補う形で活用することによって有効な刑事政策を考えることができる。

法務総合研究所は、犯罪被害の国際比較を目的とした国際犯罪被害実態調査の第4回に参加する形で、平成12年(2000年)に第1回の犯罪被害実態(暗数)調査を実施し、以後おおむね4年ごとに、16年(2004年)に第2回調査、20年(2008年)に第3回調査、24年(2012年)に第4回調査、31年(2019年)に第5回調査、そして、令和6年(2024年)に第6回調査を実施した。なお、第5回調査以降は、「安全・安心な社会づくりのための基礎調査」を副題として調査を行った。

各調査は、層化二段無作為抽出法により全国から選んだ16歳以上の男女を調査対象者としている。対象者数は各回で異なり、第1回調査及び第2回調査では3,000人、第3回調査では6,000人、第4回調査では4,000人、第5回調査では6,000人であった。第6回調査では7,000人を対象としていたが、令和6年能登半島地震の被災状況を考慮し、特に甚大な被害を受け調査実施が困難であった石川県を調査対象地域から除外したため、最終的な調査対象者数は6,916人(男女各3,458人)であった。

第1回から第3回、第5回及び第6回調査は、主に訪問調査員による聴き取り方式(本節2項(2)ア参照)によったが、第4回調査では、郵送調査(質問紙を調査対象者に郵送し、回答を記入の上返送してもらう方式)によったところ、他の調査回よりも各質問に対する無回答が多くなっており、調査回別の調査結果を見るに当たっては、この点に留意が必要である。