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令和7年版 犯罪白書 第7編/第4章/第1節/2

2 調査対象犯罪被害・調査回答者等
(1)調査対象犯罪被害

法務総合研究所による犯罪被害実態(暗数)調査においては、調査対象犯罪被害を、世帯犯罪被害、個人犯罪被害、各種詐欺等被害の三つに分類して調査した。7-4-1-1表は、第1回調査から第6回調査における調査対象犯罪被害の被害態様の定義等を一覧表としてまとめたものである。これらの定義等は、国際犯罪被害実態調査の調査項目を参考としたものであるため、我が国の法律上の犯罪類型と必ずしも合致しない点に留意が必要である。

「世帯犯罪被害」は、「あなたや御家族」がその被害に遭ったかという問いで世帯単位での犯罪被害を調査したものであり、第6回調査では、車上盗、自動車損壊、バイク盗、自転車盗、不法侵入及びあおり運転が調査対象である。

「個人犯罪被害」は、「あなた」がその被害に遭ったかという問いで個人単位での犯罪被害を調査したものであり、第6回調査では、強盗等、個人に対する窃盗、暴行・脅迫、インターネット上での誹謗・中傷・個人情報の流布、性的な被害、ストーカー行為、DV及び児童虐待が調査対象である(児童虐待は、被害に遭った時期を過去5年間に限定していないため、他の被害態様との比較が困難であることから、本特別調査における分析対象から除く。以下この章において同じ。)。

「各種詐欺等被害」は、第6回調査では、クレジットカード情報詐欺、個人情報の悪用、特殊詐欺及び消費者詐欺が調査対象であり、そのうち、個人情報の悪用については、世帯単位で、それ以外については、個人単位で、それぞれの犯罪被害の有無等を調査した。

第6回調査において、第5回調査から大きく変更した点は、自動車盗、不法侵入未遂及びインターネットオークション詐欺を調査対象から外し、あおり運転及びインターネット上での誹謗・中傷・個人情報の流布を新たに調査対象に加えたことなどである。

7-4-1-1表 調査対象犯罪被害の被害態様一覧
7-4-1-1表 調査対象犯罪被害の被害態様一覧

調査対象犯罪被害の有無等に関する質問においては、過去5年間の被害の有無を確認した上、被害に遭ったことがあると回答した人を対象に、調査実施年の前年(第6回調査では令和5年)における被害の有無及び回数を調査し、さらに、各犯罪において、複数回被害に遭った人には、一番最近の被害について、被害場所、被害の態様、被害への対処(捜査機関に対する申告の有無、その理由)等を調査している。また、犯罪被害以外に、犯罪に対する不安と防犯活動等について、調査対象者全員に、その認識や意見等を調査している。

(2)第6回調査
ア 調査の時期・方法等

第6回調査の調査時期は、令和6年1月19日から同年2月29日までであり、調査方法は、調査員が調査対象者宅を訪問し、個別に面接して聴き取り、回答を記入する従前の聴き取り方式に加えて、調査対象者が希望する場合は、インターネットを通じたオンラインの回答も選択可能とした。ただし、性的な被害、ストーカー行為、DV等に関する調査票については、調査対象者のプライバシーに特に配慮する見地より、自計方式(調査対象者が自ら回答を記入する方式)とし、調査員が回収(その場で回収又は後日調査員が再訪問し回収。なお、回収する際は、調査対象者本人が、調査票を封入し、のり付けした上で、調査員に提出)する方法、郵送による方法、オンラインによる方法の中から、調査対象者が選択して提出するものとした。

回収結果は、聴き取り方式による調査の有効回収数(率)が、4,179人(60.4%)、自計方式による調査の有効回収数(率)が、4,103人(59.3%)であった。

イ 調査回答者の属性等

本特別調査では、調査回答者の属性等である居住地、性別、年齢、就労状況、世帯人数又は住居形態の違い等により、回答を分析した。

居住地については、都市規模別に見ることとし、「政令指定都市・特別区(東京23区)(以下「政令指定都市等」という。)」、「政令指定都市等を除く人口10万人以上の市(以下「人口10万人以上の市」という。)」及び「人口10万人未満の市町村」の3カテゴリーに分けた。

就労状況については、「正社員・自営業者・公務員」又は「パート・アルバイト・派遣社員」に該当した者を「働いている」に、「求職中(失業中)」、「定年退職者、病気療養中など」又は「無職(前記2カテゴリー及び「主婦・主夫」を除く。)」に該当した者を「無職・定年」に、それぞれまとめた(複数回答の場合には、<1>正社員・自営業者・公務員、<2>学生、<3>パート・アルバイト・派遣社員、<4>主婦・主夫、<5>求職中(失業中)、<6>定年退職者、病気療養中など、<7>無職(<4>・<5>・<6>以外)の優先順位により、単一の回答となるよう振り分けを行った上で整理した。)。

調査回答者の属性等を、居住地の都市規模別に見たものが、7-4-1-2表である。いずれの都市規模でも、男性及び女性の構成比は、おおむね同じであり、年齢別の構成比では、65歳以上が最も高くて3割以上を占め、次いで、50~59歳、40~49歳、30~39歳の順に続き、20歳未満は2%前後であった。また、いずれの都市規模でも、就労状況の構成比では、「働いている」が約6割と最も高く、次いで、「主婦・主夫」及び「無職・定年」が14~17%であり、世帯人数の構成比では、「2人」が最も高く、次いで、「3人」、「4人」の順であった。住居形態の構成比では、政令指定都市では「一戸建て」が約5割、「アパート等」が4割台であったが、人口10万人以上の都市では「一戸建て」が7割台、「アパート等」が2割台、人口10万人未満の市町村では「一戸建て」が約9割、「アパート等」が約1割であった。

7-4-1-2表 調査回答者の属性等
7-4-1-2表 調査回答者の属性等
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