被害者やその親族等が被害を受けた事件の刑事裁判の推移や結果に関心を持つことは当然のことであって、刑事裁判の推移や結果を見守るとともに、これに適切に関与したいとの被害者らの心情は十分に尊重されるべきである上、同刑事裁判に適切に関与することは被害者らの名誉の回復や被害からの立ち直りにも資するものと考えられる。そこで、一定の事件の被害者やその親族等が裁判所の許可を得て刑事裁判に参加することができるよう、平成20年12月から、被害者参加制度が施行されている(第6編第2章第1節4項(1)参照)。同制度による参加の対象者は、<1>殺人、傷害、強盗致死傷、危険運転致死傷等の故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、<2>不同意性交等・不同意わいせつ(性犯罪)、<3>業務上(重)過失致死傷の罪、<4>逮捕及び監禁の罪、<5>略取、誘拐及び人身売買の罪、<6>過失運転致死傷等の交通事故に関する罪(その犯罪行為に<2>から<5>までの罪の犯罪行為を含む罪並びに<1>、<2>及び<5>の未遂罪を含む。以下この項において同じ。)のいずれかに係る被告事件の被害者等(被害者又は被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下この項において同じ。)であり、被害者等は、裁判所の決定により、「被害者参加人」として刑事裁判に参加する。
令和6年の通常第一審における被害者参加制度の実施状況について、罪名別に構成比を見ると、7-3-1-5図のとおりである。前記<1>の故意の犯罪行為により人を死傷させた罪に該当する殺人、傷害、強盗致死傷の構成比の合計は26.9%、前記<2>の性犯罪に該当する不同意わいせつ及び不同意性交等の構成比の合計は32.0%、前記<3>の業務上(重)過失致死傷の罪の構成比は3.1%、前記<4>の逮捕及び監禁の罪の構成比は0.7%、前記<5>の略取、誘拐及び人身売買の罪に該当する略取及び誘拐の構成比の合計は0.3%、前記<6>の交通事故に関する罪に該当する自動車運転死傷処罰法違反の構成比(前記<1>に該当する危険運転致死傷を含む。)は33.8%であった(CD-ROM参照)。