調査対象者のうち窃盗事犯者を年齢層別に見ると、女性は男性よりも60歳以上の割合が高く、40歳未満の割合が低く、薬物事犯者と比べて年齢層に偏りがある。また、窃盗事犯者の背景の一つとして経済的状況が考えられるところ、これは就労可能年齢を始めとする年齢による影響も大きいことから、この節では、今回受刑することになった事件に窃盗が含まれる者について、男女別に加え、年齢による違いも考慮した上で比較を行うことにより、特に高年齢の女性窃盗事犯者に特徴的な傾向を明らかにする。受刑者に対する調査結果のうち、主として経済的状況及び周囲との関わりの二つの側面から、窃盗事犯者の男女別、年齢別に特徴的な傾向が見られた項目について取り上げる。なお、年齢については、男女別及び年齢別の傾向の違いが明らかであった60歳以上と60歳未満に分けることとする。