今回受刑することになった事件における共犯者の有無について、男女別に見ると、7-5-3-7図のとおりである。「あり」の構成比は、総数では、女性受刑者と男性受刑者のいずれも20%台であったが、薬物事犯者では、女性受刑者は4割近くを占め、男性受刑者と比べて高かった。なお、複数の事件があった場合には、いずれかの事件で共犯者がいれば「あり」に計上しているため、薬物事犯者における「あり」は、必ずしも薬物事犯において共犯者がいる場合に限らないことに留意が必要である。
前記(1)において共犯者がいると回答した受刑者について、事件当時の共犯者との関係(自分から見た共犯者の立場)(重複計上による。)を男女別に見ると、7-5-3-8図のとおりである。総数、薬物事犯者のいずれも、女性受刑者は「配偶者・交際相手」の該当率が最も高く、男性受刑者は「友人・知人」の該当率が最も高かった。また、薬物事犯者の女性受刑者では、総数の場合よりも「配偶者・交際相手」の該当率が更に高かった。
逮捕などで身柄を拘束される直前の1年間における「警察に捕まるような行為をする者との日常的な関わり(日常的に一緒にいたり、頻繁に連絡を取り合ったりしていた家族・交際相手・友人の中で、警察に捕まるような行為をする者との関わり)」、「暴力団関係者との関わり(暴力団の組員やその周辺者との関わり)」及び「暴力団以外の反社会的集団に属する者との関わり(暴力団以外の反社会的集団に属する者またはその周辺者との関わり)」の有無について、男女別に見ると、7-5-3-9図のとおりである。「警察に捕まるような行為をする者との日常的な関わり」の「あり」の構成比は、総数では、女性受刑者と男性受刑者のいずれも30%前後であったが、薬物事犯者では、女性受刑者は7割近くに達し、男性受刑者と比べて高かった。また、薬物事犯者は男女共に、総数の場合よりも全ての項目で「あり」の構成比が高かった。
これまでの人生において、不特定かつ多数の者との性交経験があると回答した受刑者について、その理由・目的(重複計上による。)を男女別に見ると、7-5-3-10図のとおりである。総数、薬物事犯者のいずれも、女性受刑者は「仕事として」の該当率が最も高かったほか、「金ほしさ」、「他人から強制されて」、「人から必要とされていると感じたくて」及び「やむを得ない事情で仕方なく」の該当率が男性受刑者よりも高かった。男性受刑者は「性的欲求の解消」及び「遊び感覚」の該当率が高かった。また、薬物事犯者の女性受刑者では、総数の場合よりも「遊び感覚」の該当率が高かった。薬物事犯者の女性受刑者は、薬物事犯者の男性受刑者よりも「相手から誘われ断れなくて」の該当率が高かった。
逮捕などで身柄を拘束される直前の1年間において、悩んだり不安に思ったりしていた内容(重複計上による。)について、男女別に見ると、7-5-3-11図のとおりである。総数、薬物事犯者のいずれも、女性受刑者は「人間関係」の該当率が最も高く、次いで、「経済的なこと」であり、男性受刑者は「経済的なこと」及び「仕事のこと」の該当率が高かった。また、薬物事犯者の女性受刑者では、総数の場合よりも「人間関係」の該当率が更に高く、70%を超えた。