サイバー犯罪(不正アクセス禁止法違反、コンピュータ・電磁的記録対象犯罪、その他犯罪の実行に不可欠な手段として高度情報通信ネットワークを利用する犯罪をいう。)の検挙件数の推移(最近20年間)は、4-5-1-1図のとおりである(不正アクセス禁止法違反、コンピュータ・電磁的記録対象犯罪については、本章第2節参照。その他のサイバー犯罪については、本章第3節参照)。サイバー犯罪の検挙件数は、平成16年以降増加傾向にあり、令和5年は1万2,479件(前年比110件(0.9%)増)であった。
令和5年は、不正アクセス禁止法違反の関係で、行政機関、学術研究機関等において情報窃取を企図したとみられる不正アクセス等が多数発生したほか、インターネットバンキングに係る不正送金の被害件数・被害額ともに過去最多となった。また、コンピュータ・電磁的記録対象犯罪の関係では、ランサムウェア(感染するとパソコン等に保存されているデータを暗号化して使用できない状態にした上で、そのデータを元に戻す対価(金銭や暗号資産)を要求するプログラムをいう。)による被害の件数が高水準で推移するなど、サイバー空間をめぐる脅威は極めて深刻な情勢が続いている(警察庁サイバー警察局の資料による。)。なお、近年におけるインターネットを利用した犯罪の動向については、コラム7参照。