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令和5年版 犯罪白書 第3編/第2章/第1節/3

3 家庭裁判所における手続の流れ
(1)家庭裁判所の調査

家庭裁判所は、検察官等から事件の送致等を受けたときは、事件について調査しなければならず、家庭裁判所調査官に命じて必要な調査を行わせることができる。

(2)少年鑑別所の鑑別

家庭裁判所は、審判を行うため必要があるときは、観護措置の決定により、少年を少年鑑別所に送致する。この場合、少年鑑別所は、送致された少年を収容して、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識及び技術に基づいて、収容審判鑑別を行うとともに、必要な観護処遇を行う。

(3)家庭裁判所の審判等

家庭裁判所は、調査の結果に基づき、審判不開始、審判開始等の決定をする。

少年やその保護者等は、付添人を選任することができるが、弁護士以外の者を選任するには、家庭裁判所の許可を要する。

審判は、非公開で行われるが、家庭裁判所は、一定の重大事件の被害者等から審判の傍聴の申出があった場合、少年の健全な育成を妨げるおそれがなく相当と認めるときは、傍聴を許すことができる(第6編第2章第1節6項参照)。

また、家庭裁判所は、犯罪少年の一定の重大犯罪に係る事件において、その非行事実を認定するための審判の手続に検察官が関与する必要があると認めるときは、決定をもって、審判に検察官を出席させることができる。家庭裁判所は、この場合において、少年に弁護士である付添人がないときは、弁護士である付添人(国選付添人)を付さなければならない。

他方、家庭裁判所は、保護処分を決定するため必要があると認めるときは、相当の期間、少年を家庭裁判所調査官に直接観察させる試験観察に付することができる。

家庭裁判所は、審判の結果、保護処分に付することができず、又はその必要がないと認めるときは、不処分の決定をする。他方、調査又は審判の結果、児童福祉法上の措置を相当と認めるときは、事件を都道府県知事又は児童相談所長に送致し、本人が20歳以上であることが判明したときは、事件を検察官に送致する。また、調査又は審判の結果、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、刑事処分を相当と認めるときは、事件を検察官に送致するが、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であって犯行時に16歳以上の少年に係るもののほか、死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であって犯行時に特定少年に係るもの及び選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼす連座制に係る事件であって犯行時に特定少年に係るものについては、原則として事件を検察官に送致しなければならず(いわゆる原則逆送)、送致を受けた検察官は、原則として当該事件を起訴しなければならない。家庭裁判所は、これらの場合以外は、保護処分をしなければならず、保護観察、児童自立支援施設・児童養護施設送致(18歳未満の少年に限る。)又は少年院送致(おおむね12歳以上の少年に限る。)のいずれかの決定を行う。

特定少年に対する保護処分については、特例が設けられている。具体的には、ぐ犯を理由として保護処分をすることができず、保護処分をするときは、犯罪の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲内において、6月の保護観察、2年の保護観察又は少年院送致のいずれかをしなければならない(罰金以下の刑に当たる罪の事件については、6月の保護観察に限る。)。2年の保護観察においては、保護観察の遵守事項に違反した場合に、一定の要件の下で少年院に収容することができ、その場合に収容することができる期間は、裁判所が、保護観察の決定と同時に、1年以下の範囲内において犯罪の軽重を考慮して定める。また、少年院送致の決定をするときは、その決定と同時に、3年以下の範囲内において犯罪の軽重を考慮して収容する期間を定める。

少年、その法定代理人又は付添人は、保護処分の決定に対し、決定に影響を及ぼす法令の違反、重大な事実の誤認又は処分の著しい不当を理由とするときに限り、高等裁判所に抗告をすることができる。他方、検察官は、検察官関与の決定があった事件について、保護処分に付さない決定又は保護処分の決定に対し、非行事実の認定に関し、決定に影響を及ぼす法令の違反又は重大な事実の誤認があることを理由とするときに限り、高等裁判所に抗告審として事件を受理すべきことを申し立てることができる。