検察官は、「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる」(刑事訴訟法248条)ところ(起訴猶予)、起訴・起訴猶予別構成比は、年長少年から64歳までの各年齢層では大差がないが、年少少年・中間少年及び65歳以上の高齢者について、起訴猶予の構成比が高い。また、犯罪類型別の起訴の構成比は、薬物事犯類型(82.7%)と重大事犯類型(79.7%)が高く、粗暴犯類型(34.1%)が低いのが目立つ。
地方裁判所における有期刑(懲役・禁錮)の科刑状況を見ると、実刑(一部執行猶予を含む。)の構成比は、重大事犯類型(69.9%)及び窃盗事犯類型(52.0%)が50%を超える一方、交通事犯類型は12.0%と低い。
少年保護事件の終局処理区分を年齢層別に見ると、いずれの年齢層においても、保護観察処分の構成比が3割程度であり、審判不開始を除いて最も高く、少年院送致の構成比は1割を下回る。一方、非行類型別に見ると、少年院送致の構成比は、重大事犯類型では約5割を占める一方、窃盗事犯類型では1割を下回る。また、保護観察処分の構成比は、薬物事犯類型が62.7%と、他の非行類型と比べて顕著に高い。