人々が犯罪・非行に走る原因に対する意識を調査年別に見ると、8-4-5-11図のとおりである。いずれの調査年においても、「自分自身」の構成比が最も高く、次いで、「友達・仲間」、「家族(親)」の順であった。「自分自身」の構成比は、上昇傾向にあり、今回の調査では約7割に達したのに対し、「友達・仲間」及び「家族(親)」の構成比は、いずれも低下傾向にあり、特に「友達・仲間」の構成比は、今回の調査で初めて2割を下回った。
対象者のうち、保護処分歴を有すると回答した者について、自らが再犯・再非行に及んだ要因に関する項目の該当率を調査年別に見ると、8-4-5-12図のとおりである。今回の調査では、「自分の感情や考え方をうまくコントロールできなかったこと」及び「自分が非行や犯罪をする原因が分かっていたが、対処できなかったこと」の項目が新設された一方、「まじめになるのは、格好が悪いと考えていたこと」の項目が削除されており、項目が完全に同一でないことに留意を要するが、「自分の感情や考え方をうまくコントロールできなかったこと」(59.7%)及び「自分が非行や犯罪をする原因が分かっていたが、対処できなかったこと」(45.8%)の該当率が高く、それら以外の項目は、いずれも前回の調査より低下した。
法律で禁じられているような「悪い」ことをしようと思ったときに、それを思いとどまらせる心のブレーキとなるものを調査年別に見ると、8-4-5-13図のとおりである。今回の調査では、「友達から仲間はずれになること」及び「学校や職場に対する迷惑のこと」の項目が削除されたこと等に留意する必要があるが、平成10年調査及び17年調査では、「父母のこと」の構成比が2割程度であったのに対し、前回の調査及び今回の調査では4割を超えた。一方、「警察につかまること」の構成比は、一貫して低下し、今回の調査で初めて10%を下回った。
これからの生活で大切なものに関する項目の該当率を調査年別に見ると、8-4-5-14図のとおりである。今回の調査では、「夫や妻、子など家族の言うことをきく」の項目が新設され、項目の選択方法がいくつでも選択可能(前回の調査までは三つ選択)となった点に留意する必要があるが、全ての項目において、今回の調査の該当率が前回の調査よりも上昇した。