8-2-1図は、刑事責任年齢である14歳以上の人口の推移(平成元年以降)を年齢層別に見たものである。少子高齢化が進行し、元年から令和3年までの間に、14歳以上の少年の人口は44.3%、20歳代の人口は24.6%、それぞれ減少した(年少少年、中間少年及び年長少年の人口の推移については、CD-ROM参照)。その一方で、65歳以上の高齢者の人口が約2.5倍に増加しており、このような年齢層別人口の大きな変化は、犯罪・非行の動向はもとより、この章で概観する社会情勢や国民の意識にも影響を及ぼすことが考えられる。
8-2-2図は、一人当たりの名目GDPと名目GDPの対前年度比の推移(平成17年度以降)を見たものである。20年度及び21年度には、リーマンショック(20年9月)の影響により、名目GDPが大きく落ち込んだほか、23年度にも、東日本大震災の影響によって減少が見られた。その後、我が国の経済は、緩やかな回復基調が続いていたが、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、名目GDPが再び大きく落ち込んだ。
8-2-3図は、携帯電話やインターネット等の通信手段の普及・利用率の推移(平成9年以降)を見たものである。いずれも上昇傾向にあり、特に、スマートフォンの保有率は、23年には29.3%であったところ、令和3年には88.6%と急速に上昇した。平成10年に13.4%であったインターネット利用率も、急速に上昇し、17年には70.8%に達した。また、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用率も上昇しており、令和3年の利用率を年代別に見ると、20歳代では93.2%、13歳から19歳まででは90.7%と、特に若年者の利用率が高い(総務省情報流通行政局の資料による。)。スマートフォンやSNSの普及が人間関係の在り方にも影響を及ぼすことが考えられる。
また、令和元年には20.2%であったテレワーク導入企業の割合は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響もあり、2年には47.5%、3年には51.9%と急激に上昇した(総務省情報流通行政局の資料による。)。職場内で過ごす時間の減少、在宅時間の拡大等が職場内の人間関係や家族関係に影響を及ぼす可能性も考えられる。