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令和4年版 犯罪白書 第5編/第2章/第3節/3

3 出所受刑者の再入率の推移

5-2-3-9図<1>は、平成13年から令和2年の各年の出所受刑者について、2年以内再入率の推移を出所事由別に見たものである。総数の2年以内再入率は、平成11年に23.4%を記録した後、低下傾向にあり、令和元年に15.7%と初めて16%を下回り(政府は、2021年(令和3年)までに16%以下とすることを目標としていた。)、2年は15.1%(前年比0.5pt低下)であった。満期釈放者等も、平成11年に33.9%を記録した後、低下傾向にあり、20年以降は30%を下回り、令和2年は22.6%(同0.7pt低下)であった。仮釈放者の2年以内再入率は、平成23年以降わずかながら上昇し、25年から28年までは11%台で推移していたが、29年から低下し続け、令和2年は10.0%(同0.3pt低下)であった。2年の出所受刑者の2年以内再入率を、平成13年の出所受刑者と比べると、総数では6.5pt、満期釈放者等では9.7pt、仮釈放者では3.4pt、いずれも低下している。なお、令和2年の出所受刑者のうち一部執行猶予受刑者は1,489人であり、そのうち2年以内再入者は156人であった(CD-ROM参照)。

5-2-3-9図<2>は、平成10年から29年の各年の出所受刑者について、5年以内再入率の推移を出所事由別に見たものである。29年の出所受刑者の5年以内再入率は、10年の出所受刑者と比べて、総数では8.3pt、満期釈放者等では9.5pt、仮釈放者では7.5pt、いずれも低下しており、同年以降で最も高い5年以内再入率を記録した11年の出所受刑者と比べると、総数では9.8pt、満期釈放者等では12.3pt、仮釈放者では7.7pt、いずれも低下している。

5-2-3-9図 出所受刑者の出所事由別再入率の推移
5-2-3-9図 出所受刑者の出所事由別再入率の推移
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5-2-3-10図は、平成13年から令和2年の各年の出所受刑者について、2年以内再入率の推移を男女別、年齢層別及び罪名別に見たものである。

男性の2年以内再入率は、女性と比べて一貫して高いものの、平成13年以降緩やかに低下しており、令和2年は15.6%と、平成13年と比べて6.7pt低下している。一方、女性の2年以内再入率は、21年に13年以降で最も高い14.4%を記録したものの、令和2年は11.0%と、平成21年に次いで高かった28年(14.2%)と比べて3.2pt低下しており、出所年によって変動がある。

年齢層別の2年以内再入率は、30歳未満の年齢層が一貫して最も低い。50~64歳の年齢層及び65歳以上の高齢者層は、30歳未満及び30~49歳の年齢層と比べると一貫して高いものの、高齢者層は、出所年によって変動が大きく、令和2年は20.7%と、前年と比べて0.8pt上昇しているが、平成13年と比べると9.3pt低下している(なお、30~39歳、40~49歳、50~59歳、60~64歳の各年齢層の2年以内再入率の推移については、CD-ROM参照)。

罪名別の2年以内再入率は、平成13年以降、窃盗が他の罪名と比べて一貫して最も高いものの、低下傾向にあり、令和2年は20.0%と、平成13年と比べて10.0pt低下している。詐欺は、出所年によって変動があるものの、おおむね低下傾向にあり、令和2年は9.8%と、平成13年と比べて19.1pt低下している。傷害・暴行は、出所年によって変動が大きく、令和2年は12.3%と、平成13年と比べて6.2pt低下している。覚醒剤取締法違反は、27年まで20%前後で推移していたが、以降は低下傾向を示し、令和2年は15.5%と、前年と比べて0.3pt、平成13年と比べて5.6pt、それぞれ低下している。なお、令和2年は、覚醒剤取締法違反が窃盗に次いで高くなっている。

5-2-3-10図 出所受刑者の2年以内再入率の推移(男女別、年齢層別、罪名別)
5-2-3-10図 出所受刑者の2年以内再入率の推移(男女別、年齢層別、罪名別)
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