5-2-3-6図 出所受刑者の出所事由別再入率
この項では、出所受刑者（平成27年以前は、満期釈放又は仮釈放により刑事施設を出所した者に限り、28年以降は、満期釈放若しくは一部執行猶予の実刑部分の刑期終了又は仮釈放により刑事施設を出所した者に限る。以下この節において同じ。）の再入所状況について概観する。ここで、出所受刑者の再入率とは、各年の出所受刑者人員のうち、出所後の犯罪により、受刑のため刑事施設に再入所した者の人員の比率をいう（以下同じ。）。また、2年以内再入率とは、各年の出所受刑者人員のうち、出所年を1年目として、2年目、すなわち翌年の年末までに再入所した者の人員の比率をいう（以下同じ。）。5年以内及び10年以内の各再入率も、同様に、各年の出所受刑者人員のうち、出所年を1年目として、それぞれ5年目及び10年目の各年の年末までに再入所した者の人員の比率をいう（以下同じ。）。なお、同一の出所受刑者について、出所後、複数回の刑事施設への再入所がある場合には、その最初の再入所を計上している。
5-2-3-6図は、平成29年及び24年の各出所受刑者について、5年以内又は10年以内の再入率を出所事由別（満期釈放等又は仮釈放の別をいう。以下この節において同じ。）に見たものである。いずれの出所年の出所受刑者においても、満期釈放者等（満期釈放等により刑事施設を出所した者をいう。以下この節において同じ。）は、仮釈放者よりも再入率が高い。また、29年の出所受刑者について見ると、総数の2年以内再入率は16.9％、5年以内再入率は37.2％と、4割近くの者が5年以内に再入所し、そのうち約半数の者が2年以内に再入所している。24年の出所受刑者について見ると、10年以内再入率は、満期釈放者では55.2％、仮釈放者では35.6％であるが、そのうち5年以内に再入所した者が、10年以内に再入所した者のそれぞれ約9割、約8割を占めている。
5-2-3-7図は、平成29年及び24年の各出所受刑者について、5年以内又は10年以内の再入率を入所度数別に見たものである。入所度数が多いほど再入率は高く、特に入所度数が1度の者（初入者）と2度の者の差が顕著である。
5-2-3-8図は、平成29年の出所受刑者について、出所事由別の5年以内再入率を罪名別に見たものである。満期釈放者等は、窃盗、覚醒剤取締法違反、詐欺、傷害・暴行、強盗の順に、仮釈放者は、覚醒剤取締法違反、窃盗、傷害・暴行、強制性交等・強制わいせつ、強盗の順に、５年以内再入率が高い。
