令和3年における来日外国人被疑事件(過失運転致死傷等及び道交違反を除く。以下この項において同じ。)の検察庁新規受理人員の地域・国籍別構成比は、4-9-3-1図のとおりである。統計の存在する平成5年以降一貫して最も高かった中国の構成比を、令和元年にベトナムが上回り、3年も引き続き、ベトナムが37.0%と最も高く、次いで、中国(22.3%)、フィリピン(5.7%)の順であった。罪名を国籍別に見ると、ベトナムは、入管法違反が2,137人と最も多く、次いで、窃盗(1,189人)、傷害(188人)の順であり、中国は、入管法違反が991人と最も多く、次いで、窃盗(636人)、傷害(299人)の順であり、フィリピンは、入管法違反が253人と最も多く、次いで、窃盗(145人)、傷害(116人)の順であった(検察統計年報による。)。なお、これら地域・国籍別の検察庁新規受理人員を見るに当たっては、各地域・国籍別の新規入国者数・在留者数に違いがあることに留意する必要がある。
4-9-3-2図は、来日外国人被疑事件の検察庁終局処理人員の推移(最近20年間)を処理区分別に見たものである。その人員は、平成17年から減少傾向にあった後、23年以降はおおむね横ばいで推移し、29年から増加していたが、令和3年は1万4,969人と前年比で8.6%減少した(CD-ROM資料4-7参照)。なお、3年における来日外国人被疑事件の検察庁終局処理人員は、日本人を含めた全終局処理人員総数(27万3,686人)の5.5%、外国人被疑事件の終局処理人員(1万9,242人)の77.8%を占めている(CD-ROM資料4-8参照)。
令和3年における来日外国人被疑事件の検察庁終局処理状況を罪名別に見ると、4-9-3-3表のとおりである。来日外国人の起訴率は、日本人を含めた全終局処理人員と比較すると、刑法犯では3.1pt高く、特別法犯では1.9pt低く、入管法違反を除いた特別法犯では4.0pt低い(CD-ROM資料2-2及び4-8参照)。