少年入所受刑者(懲役又は禁錮の言渡しを受けた少年であって、その刑の執行のため入所した受刑者をいう。)の人員は、昭和41年には1,000人を超えていたが、その後、大幅に減少し、63年以降は100人未満で推移し、令和3年は16人(前年比3人減)であった。3年における少年入所受刑者の人員を刑期(不定期刑は、刑期の長期による。)別に見ると、無期が0人、5年を超える者が9人、3年を超え5年以下の者が2人、3年以下の者が5人であった(CD-ROM資料3-12参照)。なお、同年は、少年入所受刑者中、一部執行猶予受刑者はいなかった(法務省大臣官房司法法制部の資料による。)。
少年の受刑者については、心身が発達段階にあり、可塑性に富んでいることから、刑事施設ではその特性に配慮した処遇を行っている。すなわち、処遇要領の策定(第2編第4章第3節1項(1)参照)に関しては、導入期、展開期及び総括期に分けられた処遇過程ごとに、矯正処遇の目標及びその内容・方法を定めている。また、矯正処遇の実施に関しては、教科指導を重点的に行い、できる限り職業訓練を受けさせ、一般作業に従事させる場合においても、有用な作業に就業させるなどしている。さらに、令和4年4月1日以降、改善指導の実施に関しても、犯した罪の大きさや被害者等の心情等を認識させるとともに、出所後の進路選択や生活設計を具体的に検討させ、社会復帰に対する心構えを身に付けさせるよう配慮するほか、民法の一部を改正する法律(平成30年法律第59号)の施行により成年年齢が引き下げられたことを踏まえ、18歳以上の少年の受刑者については、民法上成年として扱われる年齢であることに鑑み、各種法令上の成年としての権利とそれに伴う責任等について理解させ、成年としての自覚を促すよう配慮することとされた。
加えて、少年の受刑者ごとに1人以上の職員を指定し(個別担任制)、その個別担任において、他の職員と緊密な連携を図りつつ、個別面接、日記指導等の個別に行う指導を継続的に実施している(少年の受刑者を含む若年受刑者に対する処遇の充実に向けた取組については、コラム2参照)。
なお、少年院において刑の執行をするときには、少年には、矯正処遇ではなく、矯正教育を行う(3-2-4-9表参照)。