少年鑑別所は、「法務少年支援センター」という名称で、地域社会における非行及び犯罪の防止に関する援助(以下「地域援助」という。)を行っている。少年鑑別所が有する少年非行等に関する専門的知識やノウハウを活用し、地域社会における非行及び犯罪に関する各般の問題について、少年、保護者等からの相談に応じるほか、関係機関・団体からの依頼に応じ、情報提供、助言、各種心理検査等の調査、心理的援助、研修・講演等を行うなど、地域社会や関係機関等のニーズに幅広く対応している。
令和3年に実施した地域援助のうち、少年、保護者等の個人からの依頼に基づく援助の実施人員は、延べ5,610人(前年比1,298人増)であった(矯正統計年報による。)。
また、機関・団体からの依頼に基づく援助の実施状況の推移(地域援助が開始された平成27年以降)を依頼元機関等別に見ると、3-2-3-7図のとおりである。令和3年においては、依頼元機関等のうち、学校や教育委員会等の「教育関係」の構成比が最も高く、実施件数の約3分の1を占めているほか、児童相談所や地域生活定着支援センター等の「福祉・保健関係」、都道府県警察や検察庁等の「司法関係」といった多様な機関等に対して援助を実施している。実施件数の総数は、元年(9,317件)から2年(8,305件)は減少したものの、3年は、9,239件であり、前年と比べて934件増加した。依頼元機関等別では、「教育関係」、「司法関係」、「福祉・保健関係」の順に前年より増加(それぞれ429件増、284件増、225件増)した一方、「矯正施設」は前年と比べて54件減少した(CD-ROM参照)。