更生保護における犯罪予防活動は、世論の啓発、社会環境の改善等多岐にわたる。具体的な活動として、地域社会での講演会、非行相談、非行問題を地域住民と考えるミニ集会等、住民が参加する様々な行事や、学校との連携強化のための取組等が行われている。これらの活動は、保護観察所、保護司会、更生保護女性会、BBS会、更生保護協会等が年間を通じて地域の様々な関連機関・団体と連携しながら実施している。
また、犯罪予防等を目的として、法務省の主唱により、毎年7月を強調月間として、「社会を明るくする運動~犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ~」が展開されており、全国各地で街頭広報、ポスターの掲出、新聞やテレビ等の広報活動に加えて、様々なイベントが実施されている。令和3年の「社会を明るくする運動」の行事参加人数は、約87万人であった。同年は、2年に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響により、例年同様の取組を行うことが困難なところもあったが、対面に限らない多様な発信方法による広報啓発活動が展開された。
なお、再犯防止推進法においては、再犯の防止等についての国民の関心と理解を深めるため、7月を再犯防止啓発月間に定めるとともに、国及び地方公共団体は再犯防止啓発月間の趣旨にふさわしい事業が実施されるよう努めなければならないとされており、「社会を明るくする運動」においても、再犯防止啓発月間の趣旨の周知徹底を図り、かつ、その趣旨を踏まえた活動の実施を推進することとしている。
保護司等民間ボランティアの活動に対する新型コロナウイルス感染症の影響については、第7編第4章第4節及びコラム8参照。