詐欺の検挙人員の再犯者率及び少年の詐欺検挙人員の再非行少年率は,いずれも平成20年以降上昇傾向を示した後,令和元年以降低下しているが,2年においても,前者は58.1%,後者は54.4%であり,刑法犯検挙人員総数又は少年の刑法犯検挙人員総数よりも高い。
一方,詐欺の入所受刑者人員の再入者率は,男性では,平成13年からおおむね低下傾向にあり,28年以降横ばいで推移しているが,令和2年においても,34.9%であり,入所受刑者全体の再入者率よりも低い。入所受刑者を年齢層別に見ると,初入者における30歳未満の者及び30歳代の者の各構成比は,再入者よりも一貫して高い上,前者については,平成13年から令和2年にかけて約2倍に上昇している。詐欺の出所受刑者の2年以内再入率について,平成12年と令和元年を比較すると,満期釈放者等では31.2pt,仮釈放者では10.3ptそれぞれ低下している。平成28年の詐欺の出所受刑者の5年以内再入率を出所受刑者全体と比較すると,満期釈放者等が仮釈放者よりも相当に高いこと,入所度数が3度以上の者が2度の者よりも相当に高いことなどの特徴がある。また,年齢層別では,30歳未満の者の5年以内再入率は,他の年齢層と比較して最も低い。