前の項目 次の項目       目次 図表目次 年版選択

令和3年版 犯罪白書 第2編/第5章/第6節/6

6 犯罪予防活動

更生保護における犯罪予防活動は,世論の啓発,社会環境の改善等多岐にわたる。具体的な活動として,地域社会での講演会,非行相談,非行問題を地域住民と考えるミニ集会等,住民が参加する様々な行事や,学校との連携強化のための取組等が行われている。これらの活動は,保護観察所,保護司会,更生保護女性会,BBS会,更生保護協会等が年間を通じて地域の様々な関連機関・団体と連携しながら実施している。

また,犯罪予防等を目的として,法務省の主唱により,毎年7月を強調月間として,「社会を明るくする運動~犯罪や非行を防止し,立ち直りを支える地域のチカラ~」が展開されており,全国各地で街頭広報,ポスターの掲出,新聞やテレビ等の広報活動に加えて,様々なイベントが実施されている。令和2年の「社会を明るくする運動」の行事参加人数は,約58万人であった。同年は,新型コロナウイルス感染症の影響により,例年同様に実施することが困難な取組が多かったが,非接触型の広報媒体を活用した広報活動を行ったり,ソーシャルディスタンスを確保しながら地域住民を集めて行事を開催したりするなど,地域の実情に応じて,創意工夫した活動も展開された(非接触型の広報活動についてはコラム2参照)。

なお,再犯防止推進法においては,再犯の防止等についての国民の関心と理解を深めるため,7月を再犯防止啓発月間に定めるとともに,国及び地方公共団体は再犯防止啓発月間の趣旨にふさわしい事業が実施されるよう努めなければならないとされており,「社会を明るくする運動」においても,再犯防止啓発月間の趣旨の周知徹底を図り,かつ,その趣旨を踏まえた活動の実施を推進することとしている。

感染症対策を講じるとともに,オンラインも活用し,「社会を明るくする運動」の行事として開催された公開講演会の様子【写真提供:法務省保護局】
感染症対策を講じるとともに,オンラインも活用し,
「社会を明るくする運動」の行事として開催された公開講演会の様子
【写真提供:法務省保護局】