恩赦は,憲法及び恩赦法(昭和22年法律第20号)の定めに基づき,内閣の決定によって,刑罰権を消滅させ,又は裁判の内容・効力を変更若しくは消滅させる制度であり,大赦,特赦,減刑,刑の執行の免除及び復権の5種類がある。恩赦を行う方法については,恩赦法において,政令で一定の要件を定めて一律に行われる政令恩赦と,特定の者について個別に恩赦を相当とするか否かを審査する個別恩赦の2種類が定められている。また,個別恩赦には,常時行われる常時恩赦と,内閣の定める基準により一定の期間を限って行われる特別基準恩赦とがある。個別恩赦の審査は,中央更生保護審査会が行っている。
常時恩赦について,令和元年に復権となった者は9人であり,刑の執行の免除となった者はいなかった(保護統計年報による。)。
内閣は,令和元年10月22日に即位の礼が行われるに当たり,同月18日の閣議において,政令による復権のほか,刑の執行の免除及び復権を内容とする特別基準恩赦を行うことを決定した。復権令(令和元年政令第131号)は同月22日に公布・施行され,特別基準恩赦は同日から実施された。