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令和元年版 犯罪白書 第7編/第1章/第1節/6
6 犯罪被害の動向

人が被害者となった刑法犯の認知件数は,平成期前半は増加傾向にあって平成14年にピークとなる248万6,055件となったが,その後は毎年減少を続け,30年はピーク時の約4分の1となっている。被害発生率も同様に低下しているが,男女別では男性が女性の倍以上の状態が続いている。

生命・身体に被害をもたらした刑法犯の死傷者総数は,平成14年から16年まで4万8,000人を上回ったが,30年はその半数近くまで減少した。

性犯罪被害では,認知件数・被害発生率のいずれにおいても強制性交等(強姦),強制わいせつ双方とも平成15年がピークとなっている。

財産犯の被害総額では,平成14年の約3,759億円がピークであり,現金被害総額では,4年の約1,642億円がピークである。

法務総合研究所では,警察等の公的機関に認知されていない犯罪の件数(暗数)を含め,どのような犯罪が,実際どのくらい発生しているかという実態を調べる犯罪被害実態(暗数)調査を,平成12年・16年・20年・24年・31年の計5回実施しており,全犯罪被害の被害率(1回以上犯罪被害に遭った比率)は16年調査から低下傾向にあること,被害申告率(被害に遭った世帯又は個人のうち,被害(同一の被害態様で複数回ある場合は直近のもの)を捜査機関に届け出た比率)は被害態様による差が見られることなどが明らかになった。