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令和元年版 犯罪白書 第5編/第2章/第5節/3
3 少年院出院者の再入院等の状況

この項では,少年院出院者の再入院又は刑事施設への入所の状況について概観する。ここで,再入院率とは,各年の少年院出院者人員のうち,一定の期間内に,新たな少年院送致の決定により再入院した者の人員の比率をいい,再入院・刑事施設入所率とは,各年の少年院出院者人員のうち,一定の期間内に,新たな少年院送致の決定により再入院した者と初入者として刑事施設に入所した者の合計人員の比率をいう(以下同じ。)。例えば,2年以内再入院・刑事施設入所率とは,各年の少年院出院者人員のうち,出院年を1年目として,2年目,すなわち翌年の年末までに再入院した者又は初入者として刑事施設に入所した者の人員の比率をいい,このうち再入院した者に限ったものを2年以内再入院率という。なお,同一の出院者について,出院後,複数回再入院した場合又は再入院した後に刑事施設への入所がある場合には,その最初の再入院を計上している。

5-2-5-3図は,資料を入手し得た平成8年・26年の少年院出院者について,それぞれ12年・30年までの各年における再入院率及び再入院・刑事施設入所率を見たものである。8年の少年院出院者の再入院率は,2年以内では11.8%,5年以内では15.9%,26年の少年院出院者の再入院率は,2年以内では10.4%,5年以内では15.5%であり,8年と比べて26年の方が,それぞれ1.5pt,0.4pt低い。また,いずれの年も,5年以内に再入院した者のうち,7割前後の者が2年以内に再入院している(CD-ROM参照)。もっとも,一定の期間が経過した後の再入院率に関しては,出院後の期間の経過に伴い,成年年齢に達する者が多くなり,そのような者が再犯(再非行)に及んだとしても,通常は保護処分ではなく,刑事処分の対象となるため,再入院には至らないことがある点に留意する必要がある。そこで,再入院・刑事施設入所率を見ると,8年の少年院出院者については,2年以内では14.0%であるが,その後も緩やかに上昇し,5年以内では26.0%であった。また,26年の少年院出院者については,2年以内では11.4%,5年以内では22.2%であり,8年と比べて26年の方が,それぞれ2.6pt,3.8pt低くなっている。

5-2-5-3図 少年院出院者 5年以内の再入院率と再入院・刑事施設入所率
5-2-5-3図 少年院出院者 5年以内の再入院率と再入院・刑事施設入所率
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5-2-5-4図<1>は,資料を入手し得た平成8年から29年の各年の少年院出院者について,2年以内の再入院率及び再入院・刑事施設入所率の推移を見たものである。再入院率は9~12%台で推移しているが,17年前後を境に,それより前は11~12%台,それ以降は9~11%台であり,平成期後半にかけて緩やかな低下傾向が見られる。また,再入院・刑事施設入所率は10~14%台で推移しているが,同じく17年前後を境に,それより前はおおむね13~14%台,それ以降は10~12%台であり,同様に緩やかな低下傾向が見られる。

なお,平成29年の少年院出院者について,2年以内の再入院率及び再入院・刑事施設入所率を男女別に見ると,男子がそれぞれ9.9%,11.0%,女子はいずれも9.3%であった(矯正統計年報及び法務省大臣官房司法法制部の資料による。)。

5-2-5-4図<2>は,資料を入手し得た平成8年から26年の各年の少年院出院者について,5年以内の再入院率及び再入院・刑事施設入所率の推移を見たものである。再入院率は14~17%台で,小さく上昇・低下を繰り返している。他方,再入院・刑事施設入所率は21~25%台で推移しているが,17年前後を境に,それより前は23~25%台,それ以降は21~22%台であり,平成期後半にかけて緩やかな低下傾向が見られる。

なお,平成26年の少年院出院者について,5年以内の再入院率及び再入院・刑事施設入所率を男女別に見ると,それぞれ,男子が16.3%,23.4%,女子が7.4%,9.3%であった(矯正統計年報及び法務省大臣官房司法法制部の資料による。)。

5-2-5-4図 少年院出院者 再入院率と再入院・刑事施設入所率の推移
5-2-5-4図 少年院出院者 再入院率と再入院・刑事施設入所率の推移
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