仮釈放者及び保護観察付全部・一部執行猶予者について,有前科者(今回の保護観察開始前に罰金以上の刑に処せられたことがある者をいう。以下この項において同じ。)の保護観察開始人員及び有前科者率(保護観察開始人員に占める有前科者の人員の比率をいう。)の推移(平成元年以降)は,5-2-4-1図のとおりである。仮釈放者の有前科者率は,元年が85.8%で,4年連続で上昇した後,5年をピークに6年から低下傾向となり,21年から再び上昇傾向が続いたものの,30年は前年より1.9pt低下し,82.3%であった。保護観察付全部・一部執行猶予者の有前科者率は,元年は66.0%で,2年から18年まで低下傾向が続き,19年から上昇・低下を繰り返した後,28年から刑の一部執行猶予制度が開始されたこともあり,29年から急上昇し,30年は平成期で最も高い70.3%であった。同年の保護観察付全部・一部執行猶予者の有前科者率を,保護観察付全部執行猶予者と保護観察付一部執行猶予者とに分けて見ると,保護観察付全部執行猶予者のみでは59.1%である一方,保護観察付一部執行猶予者は,98.8%となっている(CD-ROM参照)。
なお,平成30年に保護観察が開始された者のうち,一部執行猶予の前科がある者(懲役・禁錮(全部実刑)の前科がある者を除く。)は前年の6人から204人に増加した(CD-ROM参照)。