4-8-2-3図 入所受刑者の人員（年齢層別）・高齢者率の推移
4-8-2-3図は，年齢層別の入所受刑者人員及び高齢者率（入所受刑者人員に占める高齢入所受刑者の人員の比率をいう。）の推移（平成元年以降）を見たものである。
高齢入所受刑者の人員は増加傾向にあり， 平成30年は2,222人（前年比2.5％減）であったが，元年と比べて約7.1倍に増加している。特に，70歳以上の入所受刑者人員の増加が顕著であり，元年と比べて約13.3倍に増加した。2年以降の高齢者率を見ると，上昇傾向にあり， 30年は12.2％であったが，元年と比べると10.9pt上昇している。
女性の高齢入所受刑者の人員も同様に増加傾向にあり，平成30年は297人（前年比20.4％減）であったが，元年と比べると約14.9倍に増加している。特に，70歳以上の女性の入所受刑者人員の増加が顕著であり，65～69歳の女性の入所受刑者人員を22年以降は一貫して上回っている。70歳以上の女性の入所受刑者人員は，元年は0人であったが，30年は195人であった。元年以降の高齢者率を見ると，上昇傾向にあり，30年は16.8％であったが，元年と比べると14.9pt上昇している（CD-ROM参照）。
4-8-2-4図は，入所受刑者の人口比の推移（平成元年以降）を年齢層別に見たものである。
平成期において，20～64歳の入所受刑者の人口比は，平成6年まで低下傾向にあったが，7年以降18年まで急上昇し，19年以降大きく低下している。これに対し，65～69歳では，20年まで上昇した後，21年以降緩やかに低下して，30年は11.0であり，70歳以上では，24年まで緩やかに上昇した後，横ばい状態にあり，30年は4.6であった。30年の高齢入所受刑者の人口比を元年と比べると，65～69歳が6.4，70歳以上が3.6，いずれも上昇している（CD-ROM参照）。
65～69歳の女性入所受刑者の人口比は，平成22年まで上昇した後，おおむね横ばいの状況にあり，30年は2.0であった。70歳以上の女性入所受刑者の人口比は，上昇傾向にあり，30年は1.3であった。30年の高齢女性入所受刑者の人口比を元年と比べると，65～69歳が1.3，70歳以上が1.3，いずれも上昇している（CD-ROM参照）。
4-8-2-5図は，平成元年・15年・30年における高齢者の入所受刑者の罪名別構成比を男女別に見たものである。罪名別構成比について全高齢者で見ると，元年及び15年は，窃盗，詐欺，覚せい剤取締法違反の順に高かったが，30年は，窃盗，覚せい剤取締法違反，道路交通法違反の順となり，詐欺の構成比が低下した。女性高齢者は，男性高齢者と比べて，窃盗の構成比が高い（女性入所受刑者の罪名別人員の推移については，4-7-2-4図参照）。
