起訴猶予率(過失運転致死傷等及び道交違反によるものを除く。以下この節において同じ。)の推移(平成元年以降)を年齢層別に見ると,4-8-2-1図のとおりである。
平成元年以降一貫して,65~69歳の者及び70歳以上の者の起訴猶予率は,いずれも65歳未満の者と比べて高い。65~69歳の者及び70歳以上の者の起訴猶予率は,11年以降17年までそれぞれ連続して上昇したが,18年以降は,いずれもほぼ横ばいの状況にある。
平成30年の起訴猶予率を罪名別に見るとともに,これを年齢層別に見ると,4-8-2-2図のとおりである。
刑法犯及び特別法犯(道交違反によるものを除く。)における65~69歳の者及び70歳以上の者の起訴猶予率は,他の年齢層より高く,特に70歳以上の者では全体の起訴猶予率よりも14.7pt高い。
このうち刑法犯で見ると,件数の多い窃盗の後記の状況を受けて,高齢者は,全体で他の年齢層より高く,特に70歳以上の者では全体の起訴猶予率よりも13.8pt高い。
罪名別で見ると,65~69歳の者の起訴猶予率は,傷害において20~29歳の者に次いで低く,暴行において他の年齢層と比べて低いのに対し,70歳以上の者の起訴猶予率は,傷害及び暴行共,他の年齢層よりも高い。窃盗について,更に男女別に見ると,70歳以上の男性の起訴猶予率は,他の年齢層よりも顕著に高いのに対し,女性では,年齢層による起訴猶予率の差は男性ほど大きくない。