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令和元年版 犯罪白書 第4編/第2章/第3節/1

第3節 処遇
1 検察・裁判

平成期における起訴率の推移を見ると,覚せい剤取締法違反では76~90%台を推移しており,平成13年以降は緩やかな低下傾向が見られるが,大麻取締法違反及び麻薬取締法違反では,それぞれ46~71%台,40~82%台と年による変動が大きい。30年においては,覚せい剤取締法違反では76.9%,大麻取締法違反では50.8%,麻薬取締法違反では56.0%であった(起訴・不起訴人員等については,CD-ROM資料4-2参照)。また,同年の麻薬特例法違反の起訴率は23.4%であった。なお,同年において,あへん法違反で起訴された者はいなかった(検察統計年報による。)。

覚せい剤取締法違反の第一審における全部執行猶予率(懲役に限る。)は,平成期を通じて38~52%台を推移しているが,平成9年頃には50%を超えていたのに対し,その後緩やかな低下傾向が見られ,24年以降は40%未満が続いており,30年は39.2%であった。同様に,大麻取締法違反及び麻薬取締法違反の第一審における全部執行猶予率(懲役に限る。)を見ると,大麻取締法違反では平成期を通じて81~86%台とほぼ一定しており,30年は86.5%であったのに対し,麻薬取締法違反では56~84%台と変動が大きいが,27年以降は80%を超えており,30年は80.5%であった。なお,30年において,覚せい剤取締法違反,大麻取締法違反及び麻薬取締法違反で3年以下の実刑(懲役に限る。)を言い渡された者のうち,一部執行猶予が付いた者の割合は,それぞれ32.8%,20.3%,22.0%であった(司法統計年報による。CD-ROM資料4-3参照)。

平成30年における覚せい剤取締法違反の少年保護事件について,家庭裁判所終局処理人員を処理区分別に見ると,少年院送致が48人(66.7%)と最も多く,次いで,保護観察15人(20.8%),検察官送致8人(11.1%),審判不開始1人(1.4%)の順であった。なお,児童自立支援施設・児童養護施設送致,都道府県知事・児童相談所長送致及び不処分はいなかった(司法統計年報による。)。