前の項目 次の項目        目次 図表目次 年版選択

令和元年版 犯罪白書 第3編/第2章/第3節/2

2 入所・退所の状況
(1)入所人員の推移

少年鑑別所の入所者(観護措置(少年鑑別所送致),勾留に代わる観護措置又はその他の事由(勾留,引致,少年院在院者の鑑別のための収容等)により入所した者をいう。)の人員(男女別)及び女子比の推移(平成元年以降)は,3-2-3-1図のとおりである。その人員は,元年から7年まで減少傾向にあったものの,8年から増加し,15年に昭和45年以降最多を記録したが,その後,15年連続で減少し,平成30年は15年の3分の1以下にまで減少している(CD-ROM資料3-13参照)。30年におけるその人員の内訳は,観護措置による者が87.8%,勾留に代わる観護措置による者が7.0%であった(矯正統計年報による。)。

3-2-3-1図 少年鑑別所入所者の人員(男女別)・女子比の推移
3-2-3-1図 少年鑑別所入所者の人員(男女別)・女子比の推移
Excel形式のファイルはこちら
(2)被収容者の特徴

3-2-3-2図は,少年鑑別所の被収容者の年齢層別構成比の推移(平成元年以降)を男女別に見たものである。男子は,元年は年長少年の構成比が47.6%と最も高く,5年にかけて上昇傾向にあったが,その後,低下傾向に転じ,16年以降,一貫して中間少年の構成比が最も高かった。27年以降は再び年長少年の構成比が最も高くなっており,30年は,年長少年,中間少年,年少少年の順であった。女子は,平成期において一貫して,男子と比べて,年少少年の構成比が高く,年長少年の構成比が低い。

3-2-3-2図 少年鑑別所被収容者の年齢層別構成比の推移(男女別)
3-2-3-2図 少年鑑別所被収容者の年齢層別構成比の推移(男女別)
Excel形式のファイルはこちら

3-2-3-3図は,平成元年・15年・30年における被収容者の非行名別構成比を男女別に見るとともに,30年については,非行名別構成比を更に年齢層別に見たものである。男子は,いずれの年及び年齢層においても,窃盗の占める割合が最も高い。また,詐欺の構成比は,元年及び15年では1%未満であったところ,30年の総数では,12.9%(元年比12.5pt上昇)と,窃盗,傷害・暴行に次いで高く,また,年齢層が上がるにつれて高くなっている。女子は,元年及び15年では,ぐ犯の占める割合が最も高かったところ,30年では,ぐ犯は13.4%(元年比33.0pt低下)であり,窃盗が25.1%と最も高くなっている。また,年齢層が上がるにつれて,傷害・暴行及びぐ犯の構成比が低くなり,覚せい剤取締法違反の構成比が高くなっている。なお,元年においては,毒劇法が男子8.1%,女子12.4%と一定の割合を占めており,また,8年及び9年の女子においては,覚せい剤取締法違反の占める割合がそれぞれ30.3%(555人),29.8%(615人)と最も高かった(矯正統計年報による。)。

3-2-3-3図 少年鑑別所被収容者の非行名別構成比(男女別,年齢層別)
3-2-3-3図 少年鑑別所被収容者の非行名別構成比(男女別,年齢層別)
Excel形式のファイルはこちら
(3)退所事由

平成元年・15年・30年における少年鑑別所の退所者の退所事由別構成比は,3-2-3-4図のとおりである。いずれの年でも保護観察,少年院送致の順に高い。

3-2-3-4図 少年鑑別所退所者の退所事由別構成比
3-2-3-4図 少年鑑別所退所者の退所事由別構成比
Excel形式のファイルはこちら