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平成30年版 犯罪白書 第7編/第6章/第1節/2

2 矯正・更生保護の処遇を受けない高齢犯罪者の多さ

高齢者の刑法犯検挙人員が高止まりである中,高齢者の刑法犯の微罪処分人員は,平成19年のピーク以後減少しており,微罪処分とならない者の増加が,検察庁終局処理人員の増加につながっている。

高齢者の刑法犯及び特別法犯(道交違反を除く)の起訴人員は,最近20年間で増加傾向にあるが,起訴猶予人員も増加しており,起訴猶予率は,非高齢者と比べて高い。

通常第一審における高齢者の有罪人員は,最近10年間,緩やかな増加傾向にあり,全部執行猶予率は非高齢者と同程度であるが,全部執行猶予者の保護観察率は低い。

このように,高齢者は,非高齢者と比べて,万引きという比較的軽微な犯罪により検挙されることが多いこともあって,検挙されながら矯正や更生保護による各処遇に至らない場合が多い。