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平成30年版 犯罪白書 第7編/第5章/第3節

第3節 起訴猶予者等に対する支援

再犯防止推進法は,国等に対し,高齢者等であって自立した生活を営む上での困難を有するもの等について,その心身の状況に応じた適切な保健医療サービス及び福祉サービスが提供されるよう必要な施策を講じることを,また,犯罪をした者等のうち社会内において適切な指導及び支援を受けることが再犯の防止等に有効であるものについて,矯正施設における処遇を経ない場合であっても,必要な施策を講じることを求めている。

刑務所等の矯正施設から出所等する者に対して行う就労支援や住居等の確保といった支援が「出口支援」と呼ばれるのに対し,起訴猶予処分を受けたり,略式命令等により罰金等の財産刑のみに処せられ,あるいは全部執行猶予付判決を言い渡されることが見込まれる被疑者・被告人等,矯正施設における処遇を経ない者に対して行う社会復帰支援は「入口支援」と呼ばれる。

この節では,高齢の被疑者・被告人で福祉的支援を必要とする者等について,近年,検察庁や保護観察所が行っている再犯防止のための社会復帰支援等の取組について紹介することとする。