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平成30年版 犯罪白書 第7編/第4章/第2節/1

1 調査の概要
(1)調査対象者

全国各地の裁判所(支部を含む。)において,平成28年1月1日から同年12月31日までに殺人(自殺関与及び同意殺人を含まない。以下この節において同じ。)を含む罪により有罪判決の宣告を受け,調査時点で確定していた犯行時(調査対象事件中の殺人の犯行時をいい,調査対象事件に複数の殺人があって,被害者が複数いる場合,時間的に大きな間隔がある事案では最も遅い犯行の被害者を主たる被害者とし,それ以外では,<1>結果が重い者(既遂と未遂であれば既遂を優先。),<2>犯行の動機・背景等との関係で最も中心的な犯行の被害者,<3>最も遅い犯行の被害者の各観点を順次勘案して主たる被害者として認めた事案に係る殺人の犯行時をいう。以下この節において同じ。)65歳以上の高齢者のうち,全国の地方検察庁(支部を含む。)において資料の収集が可能であった82人(以下この節において「高齢群」という。)を調査対象者とした。

一方,比較対照群として,前記期間に殺人を含む罪による有罪判決の宣告を受け,調査時点で確定していた犯行時65歳未満の者のうち資料が入手可能であった282人(以下この節において「非高齢群」という。)を選定した。

なお,「高齢群」,「非高齢群」共,犯行時が平成20年より前の事案は除外した。

(2)調査内容

高齢群及び非高齢群について,裁判書等に基づき,事件の動機や態様,加害者の属性・心身の状況・科刑状況,殺人の被害者(前記の主たる被害者として認めた者をいう。以下この節において同じ。)の年齢・心身の状況等について調査を実施した。

(3)調査対象者の属性

本特別調査の結果,明らかになった殺人事犯者の属性等別人員は,7-4-2-1表のとおりである。

調査対象者のうち高齢群が占める割合は22.5%であり,このうち,男性が68人(82.9%),女性が14人(17.1%)であった。最高齢は86歳であった。

暴力団所属(関与)歴を有する者の割合は,高齢群が4.9%,非高齢群が3.9%と,いずれも5%に満たなかった。

自由刑前科を有する者の割合は,高齢群(7.3%),非高齢群(12.1%)共に低かった。

共犯関係については,高齢群では,共犯ありの占める割合が 6.1%(5人)であり,非高齢群(14.2%,40人)と比べて低かった。

7-4-2-1表 殺人事犯者の属性等別人員
7-4-2-1表 殺人事犯者の属性等別人員
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7-4-2-2図は,殺人事犯者の年齢層別構成比を見たものである。高齢群のうち,70歳以上の者は,全体の13.5%を占めた。

7-4-2-2図 殺人事犯者の年齢層別構成比
7-4-2-2図 殺人事犯者の年齢層別構成比
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