法テラス(第2編第1章2項参照)も被害者等に対する支援業務を行っている。平成29年度における利用状況は,犯罪被害者支援ダイヤルでの受電件数が1万3,461件(前年度比1,447件増),地方事務所での犯罪被害・刑事手続等の問合せ件数が1万2,717件(同1,108件減)であり,そのうち犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士を紹介した件数が1,705件(同28件増)であった。また,法テラスは,被害者参加人が法テラスを経由して裁判所に国選被害者参加弁護士の選定請求をするに当たり,法テラスと契約している弁護士を国選被害者参加弁護士の候補に指名して裁判所に通知するなどの業務を行っている。29年度の被害者参加人からの国選被害者参加弁護士選定請求件数は,561件(請求人員延べ724人)であり,罪名別にその件数を見ると,強制性交等・強制わいせつ等273件(48.7%),傷害105件(18.7%),過失運転致死傷等59件(10.5%),殺人(自殺関与・同意殺人を含まない。)58件(10.3%)であった(法テラスの資料による。)。
なお,総合法律支援法(平成16年法律第74号)が一部改正され(平成28年法律第53号),平成30年1月24日から,法テラスにおいて,ストーカー規制法上の「つきまとい等」,児童虐待防止法上の「児童虐待」及び配偶者暴力防止法上の「配偶者からの暴力」の被害者に対し,必要な法律相談を実施することを内容とする「DV等被害者法律相談援助」の運用を開始した(児童虐待,配偶者間暴力及びストーカー犯罪については,第4編第6章参照)。同年3月末までのDV等被害者法律相談援助の実施件数は141件であった(法テラスの資料による。)。