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平成30年版 犯罪白書 第6編/第2章/第1節/3

3 公判段階における被害者の関与
(1)被害者参加制度

通常第一審における被害者参加制度(一定の犯罪の被害者等が,裁判所の決定により被害者参加人として刑事裁判に参加し,公判期日に出席すること,事実・法律適用に関して意見を述べること,そのために被告人に質問をすることなどができる制度)の実施状況の推移(最近5年間)は,6-2-1-3表のとおりである。

6-2-1-3表 通常第一審における被害者参加制度の実施状況の推移
6-2-1-3表 通常第一審における被害者参加制度の実施状況の推移
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(2)被害者等・証人に配慮した制度

被害者等による心情に関する意見陳述,証人の保護(遮へい,ビデオリンク,付添い),被害者特定事項秘匿決定(被害者等からの申出により,裁判所が,性犯罪等の被害者の氏名,住所等の被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしないことを定める決定),刑事和解(被告人と被害者等が,その被害に関するものを含む民事上の争いについて合意が成立した場合に,公判調書に記載することを申し立てることができ,その合意が公判調書に記載された場合には,裁判上の和解と同一の効力を有する制度)及び損害賠償命令制度(一定の重大犯罪について,被害者等が刑事事件の係属している裁判所に損害賠償命令の申立てを行い,裁判所が有罪判決の言渡しを行った後に引き続き審理を行い,申立てに対する決定を行う制度)の実施状況並びに被害者等が公判記録の閲覧・謄写をした事例数の推移(最近5年間)は,6-2-1-4表のとおりである。

6-2-1-4表 被害者等・証人に配慮した制度の実施状況の推移
6-2-1-4表 被害者等・証人に配慮した制度の実施状況の推移
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また,刑事訴訟法が一部改正され(平成28年法律第54号。同改正については,第2編第1章1項(1)参照),平成28年12月1日から,証人等特定事項秘匿決定(証人等からの申出により,裁判所が,証人等の氏名,住所等の証人等特定事項を公開の法廷で明らかにしないことを定める決定)などの犯罪被害者等及び証人を保護するための制度が拡充されたが,29年末までに終局した事件について,証人等特定事項秘匿決定が行われた証人等の数は延べ120人であった(最高裁判所事務総局の資料による。)。