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平成30年版 犯罪白書 第6編/第2章/第1節/2

2 不起訴処分に対する不服申立制度
(1)検察審査会に対する審査申立て

検察審査会における事件(再審査事件を含まない。)の受理・処理人員の推移(最近5年間)は,6-2-1-1表のとおりである。平成29年における受理人員のうち,刑法犯(平成25年法律第86号による改正前の刑法211条2項に規定する自動車運転過失致死傷を含む。)は2,162人であり,罪名別に見ると,職権濫用が612人と最も多く,次いで,詐欺(196人),暴行(193人),傷害(190人)の順であった。特別法犯(自動車運転死傷処罰法違反を含む。)は371人であり,自動車運転死傷処罰法違反が189人と最も多かった(いずれも延べ人員。最高裁判所事務総局の資料による。)。

6-2-1-1表 検察審査会の事件の受理・処理人員の推移
6-2-1-1表 検察審査会の事件の受理・処理人員の推移
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検察審査会において起訴相当又は不起訴不当の議決がされた事件について,検察官が執った事後措置の推移(最近5年間)を,原不起訴処分の理由別に見ると,6-2-1-2表のとおりである。

6-2-1-2表 起訴相当・不起訴不当議決事件 事後措置状況の推移(原不起訴処分の理由別)
6-2-1-2図 表 起訴相当・不起訴不当議決事件 事後措置状況の推移(原不起訴処分の理由別)
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検察審査会法(昭和23年法律第147号)施行後の昭和24年から平成29年までの間,検察審査会では,合計で延べ17万3,008人の処理がされ,延べ1万8,365人(10.6%)について起訴相当又は不起訴不当の議決がされている。このうち,検察官により起訴された人員は,延べ1,581人であり,1,414人が有罪(自由刑509人,罰金刑905人),98人が無罪(免訴及び公訴棄却を含む。)を言い渡されている(最高裁判所事務総局の資料による。)。

また,検察審査会法の改正(平成16年法律第62号。平成21年5月施行)により,検察審査会が起訴相当の議決を行った事件について,検察官が再度不起訴処分にした場合又は一定期間内に公訴を提起しなかった場合,検察審査会は,再審査を行わなければならず,その結果,「起訴をすべき旨の議決」(起訴議決)を行ったときは,公訴が提起されることとなったが,平成21年から29年までに再審査が開始されたのは,延べ25人であり,起訴議決に至ったものは延べ14人,起訴議決に至らなかった旨の議決は延べ11人であった(最高裁判所事務総局の資料による。)。

平成21年から29年までの間,検察審査会の起訴議決があり,公訴の提起がなされて裁判が確定した事件の人員は10人(有罪2人,無罪(免訴及び公訴棄却を含む。)8人)であった(法務省刑事局の資料による。)。

(2)付審判請求

平成29年における付審判請求(公務員による各種の職権濫用等の罪について告訴又は告発をした者が,不起訴処分に不服があるときに,事件を裁判所の審判に付するよう管轄地方裁判所に請求することを認める制度)の新規受理人員は684人,処理人員は464人であり,付審判決定があった者は1人であった(司法統計年報及び最高裁判所事務総局の資料による。)。

また,刑事訴訟法施行後の昭和24年から平成29年までの間に付審判決定があり,公訴の提起があったとみなされた事件の裁判が確定した件数は21件(有罪9件,無罪(免訴を含む。)12件)であった(最高裁判所事務総局の資料による。)。