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平成30年版 犯罪白書 第4編/第8章/第2節/1

第2節 犯罪の動向
1 刑法犯

外国人による刑法犯の検挙件数は,平成17年に4万3,622件を記録した後,18年から減少し続けていたが,29年は前年よりも1,880件増加し,1万7,156件(前年比12.3%増)であった。また,外国人による刑法犯の検挙人員は,11年から増加し,17年に1万4,786人を記録した後,18年から減少し続けたが,25年から増減を繰り返し,29年は1万580人(同1.6%減)であった(4-8-2-1図CD-ROM参照)。同年における刑法犯検挙人員総数(21万5,003人)に占める外国人の比率は4.9%であった(警察庁の統計による。)。

4-8-2-1図は,外国人による刑法犯の検挙件数及び検挙人員の推移(平成元年以降)を,来日外国人とその他の外国人の別に見たものである。来日外国人による刑法犯の検挙件数は,5年からその他の外国人を上回って,17年(3万3,037件)のピーク後に減少し続けていたが,29年は前年よりも1,969件増加し,1万1,012件(前年比21.8%増)であった。来日外国人による刑法犯の検挙人員は,16年(8,898人)をピークに24年までは減少傾向にあったが,25年から増加傾向にあり,29年は前年よりも16人増加し,6,113人(前年比0.3%増)であった(CD-ROM参照)。

4-8-2-1図 外国人による刑法犯 検挙件数・検挙人員の推移
4-8-2-1図 外国人による刑法犯 検挙件数・検挙人員の推移
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平成29年における来日外国人による刑法犯の検挙件数の罪名別構成比を見ると,4-8-2-2図のとおりであり,窃盗が63.2%を占めている。なお,強盗は0.5%(59件),殺人は0.3%(35件)であった(警察庁の統計による。)。

4-8-2-2図 来日外国人による刑法犯 検挙件数の罪名別構成比
4-8-2-2図 来日外国人による刑法犯 検挙件数の罪名別構成比
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4-8-2-3図は,来日外国人による窃盗,強盗,傷害・暴行等について,検挙件数の推移(最近10年間)を見たものである。窃盗の検挙件数は,平成17年をピークに18年から減少し続けていたが,29年は前年よりも1,503件増加し,6,955件(前年比27.6%増)であった(CD-ROM参照)。傷害・暴行の検挙件数は,近年増加傾向にあり,29年は,20年と比較して約1.3倍になっている。

平成29年における来日外国人による窃盗及び傷害・暴行の検挙件数を国籍別に見ると,窃盗は,ベトナムが3,080件(検挙人員988人)と最も多く,次いで,中国1,428件(同817人),ブラジル604件(同159人)の順であった。傷害・暴行は,中国が270件(同312人)と最も多く,次いで,ブラジル115件(同116人),フィリピン104件(同123人)の順であった(警察庁の統計による。)。

4-8-2-3図 来日外国人による刑法犯 検挙件数の推移(罪名別)
4-8-2-3図 来日外国人による刑法犯 検挙件数の推移(罪名別)
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